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片頭痛の症状と治療

片頭痛とは、脳内の血管が一時的に拡張し、その周囲の神経が刺激されることで起こる強い頭痛です。片側または両側にズキズキと脈打つような痛みがあり、日常生活に支障をきたすほどの症状を引き起こすこともあります。片頭痛は繰り返し起こり、痛みが数時間から数日続くこともあります。

片頭痛の症状

片頭痛の主な症状には以下が含まれます。

脈打つような痛み: 頭の片側または両側にズキズキと拍動するような痛みが特徴です。

痛みの強さ: 中程度から重度の痛みで、体を動かすとさらに悪化する傾向があります。

随伴症状: 吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏症(光や音を避けたい感じ)もよく見られます。

前兆: 片頭痛の一部の人は発作前に「前兆」を経験します。前兆には視界にチカチカと光が見えたり、視野が歪んだりする症状が含まれます。前兆がある片頭痛は「前兆あり片頭痛」、ない場合は「前兆なし片頭痛」と呼ばれます。

片頭痛の原因

片頭痛の正確な原因は解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。

遺伝的要因: 家族に片頭痛のある人がいると片頭痛が起こりやすいとされています。

脳の血管と神経の異常な反応: 脳内の血管が一時的に拡張し、その周囲の三叉神経が刺激されることが痛みの引き金となると考えられます。

片頭痛発作の誘因

片頭痛はさまざまな要因によって引き起こされることがあります。これらの誘因を避けることで発作を予防しやすくなります。

ストレス: ストレスや緊張が高まると発症しやすくなります。

睡眠不足や睡眠過多: 生活リズムが乱れると片頭痛のリスクが高まります。

ホルモンの変動: 特に女性の場合、月経周期によってホルモンが変動することで片頭痛が起こりやすくなります。

食事や飲み物: チョコレート、赤ワイン、カフェインなど、特定の食品が引き金になることもあります。

環境の変化: 強い光、音、匂い、気圧の変化(台風や天候の変化)なども片頭痛の誘因になります。

発作時治療薬

片頭痛が発生した際に、痛みを軽減または止めるために使われる薬です。できるだけ早く服用することが効果的です。

トリプタン系薬

片頭痛の治療で最もよく使われる薬です。脳内の血管を収縮させ、炎症を抑えることで痛みを緩和します。代表的な薬には以下があります。

スマトリプタン(イミグラン)

ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)

リザトリプタン(マクサルト)

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

痛みや炎症を抑えるために使用されます。軽度から中等度の片頭痛に有効です。

イブプロフェン

アスピリン

ナプロキセン

エルゴタミン製剤

トリプタンに次ぐ治療薬で、血管収縮作用があります。ただし、長期使用や頻繁な使用は避けるべきです。

予防薬

片頭痛の発作が頻繁に起こる場合や、発作が重症である場合に使用されます。発作の回数や重症度を減少させるために、毎日服用するタイプの薬です。

β遮断薬(ベータブロッカー)

片頭痛予防に効果があります。代表的な薬には以下があります。

プロプラノロール

アテノロール

抗てんかん薬

片頭痛の予防に使われることがあります。

デパケン(バルプロ酸ナトリウム)

トピラマート(トピナ)

抗うつ薬

セロトニンの働きを調節することで、片頭痛の予防に役立つ場合があります。

アミトリプチリン

カルシウム拮抗薬

血管を拡張させることで片頭痛を予防する薬です。

ロメリジン

CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)阻害薬

新しいタイプの片頭痛予防薬で、CGRPという物質の働きを抑制することで片頭痛を防ぎます。

・エレヌマブ(アイモビッグ)

フレマネズマブ(アジョビ)

片頭痛治療のポイント

発作時治療薬は、片頭痛をお持ちの患者様全員が飲むべきです。スマトリプタン(イミグラン)は錠剤や点鼻薬などがあり剤形が豊富、リザトリプタン(マクサルト)は即効性があるなどそれぞれ強みがあります。予防薬は、片頭痛の頻度が多い方(月3〜4回以上)や、片頭痛発作が重篤で日常生活に著しく支障を及ぼす方は飲むべきです。頭痛の診療ガイドライン2021では、デパケン(バルプロ酸ナトリウム)、トピラマート(トピナ)、プロプラノロールを使用することが特に推奨されています。

片頭痛の治療は、個々の患者によって効果的な薬が異なるため、医師と相談しながら最適な薬を見つけることが重要です。また、薬の過剰使用による「薬物乱用頭痛」もあるため、適切な使用が必須です。

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