痙攣(けいれん)の原因と治療法は?
痙攣(けいれん)の原因は多岐にわたりますが、筋肉や神経系の異常によって引き起こされることが一般的です。以下に主な原因を挙げ、治療薬についても説明します。
痙攣の原因
a 筋肉に関する原因
- 筋肉の疲労
激しい運動や長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の過労。
- 脱水症状
体内の水分不足が筋肉の収縮と弛緩に影響を及ぼします。
- 電解質異常
カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの不足やバランスの乱れ。
b 神経系に関連する原因
- てんかん
脳の電気的な異常が全身や局所的なけいれんを引き起こす。
- 中枢神経系の損傷や疾患
脳梗塞、脳炎、外傷などが原因になる場合があります。
- 神経障害
末梢神経障害や特定の神経の圧迫(例:坐骨神経痛)。
c 代謝や内分泌の問題
- 低血糖
血糖値が急激に低下すると、けいれんが起こることがあります。
- 甲状腺機能異常
ホルモンバランスが乱れると神経や筋肉に影響を及ぼす。
- 腎臓や肝臓の異常
体内の老廃物が適切に排泄されず、神経筋系に影響を及ぼす。
d 外的要因や薬剤の影響
- 薬剤副作用
特定の薬(抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬など)が原因の場合があります。
- アルコールや薬物中毒
神経や筋肉に悪影響を及ぼす。
- 毒素や化学物質
特定の毒素に曝露されることでけいれんを引き起こす場合も。
e 病的状態やその他の原因
- 感染症
高熱や特定の感染症(破傷風、髄膜炎など)がけいれんを引き起こす。
- 血管障害
血流が阻害されることで神経や筋肉に影響を与える。
- 心理的ストレス
強いストレスやパニックがけいれんを誘発する場合も。
痙攣の治療薬
a てんかんや発作に対する薬
これらの薬は神経系の過剰な興奮を抑える作用があります。
- ベンゾジアゼピン系(即効性)
例:ジアゼパム(ダイアップ、セルシン)、ロラゼパム(アタラックス)
- 急性発作やけいれん重積(発作が止まらない場合)に使用されることが多い。
- 抗てんかん薬(長期治療)
例:カルバマゼピン(テグレトール)、ラモトリギン(ラミクタール)、レベチラセタム(ケプラ)
b 筋肉のけいれんに対する薬
これらは筋肉の異常収縮を緩和するために使用されます。
- 筋弛緩薬
例:エペリゾン(ミオナール)、メトカルバモール(ロバキシン)
- 鎮痛消炎薬(付随する痛みを緩和)
例:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。
c 電解質補正薬
電解質の異常による痙攣には補正が必要です。
- カルシウム補充薬
低カルシウム血症の場合に使用されます。
- マグネシウム補充薬
低マグネシウム血症や妊娠中毒症に伴うけいれんに適応。
- カリウム補充薬
低カリウム血症が原因の場合に投与します。
d その他の特定の治療薬
- 破傷風によるけいれん
ジアゼパムのほか、破傷風免疫グロブリンや抗生物質が併用されます。
- てんかん以外の神経系疾患(例:脳梗塞後)
抗てんかん薬や中枢性筋弛緩薬を使用します。
- 心理的要因によるけいれん
抗不安薬や抗うつ薬が使用される場合があります。
受診が必要な場合
- 痙攣が頻繁に起こる
- 数分以上持続する
- 意識障害や異常な行動を伴う
- 怪我を伴う危険性がある
- 初めてのけいれん
上記の場合、精密検査や薬を飲む必要があるかもしれないので、可及的速やかに医療機関を受診してください。