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誰もがなったことがある下痢。原因、症状、病院受診の目安は?

下痢は、誰もが一度は経験する身近な症状ですが、単なる一時的な体調不良から、感染症や消化器疾患のサインまで原因はさまざまです。水のような便や回数の増加は、体内の水分や電解質のバランスにも影響を与えるため、放置すると脱水や栄養不足につながることもあります。また、急性の下痢は食中毒やウイルス感染が原因で起こることが多く、慢性的な下痢は過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの病気と関連する場合があります。本記事では、下痢の主な原因や症状の特徴、セルフケアの方法、受診が必要な目安など、日常生活で役立つ情報をわかりやすく解説し、安心して対処できる知識を提供します。

目次

下痢とは

下痢とは、便の水分が増えて軟らかくなったり、排便回数が増えたりする状態を指します。原因はさまざまで、ウイルスや細菌による感染、食生活の乱れ、薬の副作用、消化器疾患などが挙げられます。下痢が続くと、水分や電解質が失われ、脱水や栄養不足を引き起こすことがあります。急性の下痢は多くの場合一時的ですが、慢性的に続く場合は過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの病気が隠れている可能性があり、注意が必要です。対処には、十分な水分補給や食事管理、原因に応じた医療機関での診断が重要です。


下痢の種類

下痢は原因や症状に応じていくつかの種類に分けられ、医療現場では原因別に整理されます。まず、急性下痢は通常数日から1週間程度で改善し、ウイルス性や細菌性の感染、食中毒が主な原因です。発熱や腹痛、嘔吐を伴うことがあり、脱水に注意が必要です。対して、慢性下痢は4週間以上続く場合を指し、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、吸収不良症候群などが原因になることがあります。血液検査や便検査、内視鏡検査で原因を評価します。

下痢の機序別分類では、浸透圧性下痢は消化されない糖や塩類が腸内に残り水分を引き込むことで生じ、乳糖不耐症やマグネシウム含有下剤が代表例です。分泌性下痢は腸管から水分や電解質が過剰に分泌されるタイプで、細菌性の毒素やホルモン産生腫瘍が原因となります。運動異常性下痢は腸の蠕動運動が過剰になることで起こり、過敏性腸症候群やストレス性の下痢でよく見られます。さらに、炎症性下痢は腸粘膜の炎症や潰瘍によって血液や粘液を伴う便が出るもので、感染性腸炎や炎症性腸疾患が原因です。

このように、下痢は原因や機序によって性状や治療法が大きく異なるため、便の性状や症状の経過を医師に伝えることが診断と適切な治療の第一歩となります。


下痢の症状

下痢の主な症状は、便の水分が増えて軟らかくなることや、排便回数の増加です。急性の場合は突然発症し、腹痛や腹部の張り、嘔吐、発熱を伴うことがあります。便に血液や粘液が混じる場合は、腸粘膜の炎症や感染が疑われます。慢性的な下痢では、下痢の間隔が不規則で、軟便や泥状便が続くことが多く、腹部の違和感や膨満感、疲労感を伴うことがあります。下痢が続くと水分や電解質の喪失による脱水症状が起こることがあり、特に高齢者や小児では注意が必要です。また、食欲不振や体重減少を伴う場合は、基礎疾患の可能性もあるため医療機関での評価が推奨されます。


下痢の原因

下痢は、便の水分が増えて軟らかくなったり、排便回数が増えたりする症状で、その原因は多岐にわたります。まず、最も多いのは感染性の原因です。ノロウイルス、ロタウイルスが原因となるウイルス性胃腸炎やサルモネラ、カンピロバクターなどの細菌性腸炎などは、腸管に炎症を引き起こし急性の下痢を起こします。症状は腹痛、発熱、嘔吐を伴うことが多く、脱水に注意が必要です。

次に、消化・吸収異常による下痢があります。乳糖不耐症や脂肪吸収不良、膵外分泌不全などでは、消化されなかった成分が腸内に残り、水分を引き込むことで浸透圧性下痢を引き起こします。また、胆汁酸の吸収障害や一部の下剤、抗生物質などの薬剤も同様の作用で下痢を起こすことがあります。

さらに、腸管の運動異常による下痢もあります。過敏性腸症候群では、ストレスや自律神経の乱れにより腸の蠕動運動が過剰になり、下痢や便通異常を生じます。運動異常性下痢は慢性化することも多く、生活の質に影響を及ぼします。

炎症性の原因も重要です。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、腸粘膜の炎症や潰瘍によって血便や粘液便を伴う下痢が続き、腹痛や体重減少、発熱などを伴うことがあります。また、薬剤性や甲状腺機能異常などのホルモン異常も下痢の原因となることがあります。

さらに、生活習慣や食事の影響も無視できません。脂っこい食事、香辛料、アルコールの過剰摂取や、冷たい飲食物の摂取、夜間の食事などが一時的な下痢を引き起こすことがあります。心理的ストレスや緊張も、腸の運動に影響し下痢を悪化させる要因となります。

このように、下痢の原因は単独ではなく複数が重なることも多く、症状の経過、便の性状、伴う症状を正確に把握することが診断と治療の第一歩です。急性の場合は水分補給や安静が重要であり、慢性下痢では原因疾患の特定と生活指導、必要に応じた薬物療法が行われます。

受診の目安

下痢は多くの場合軽症で自然に改善しますが、次のような場合は医療機関の受診が必要です。まず、発熱や激しい腹痛、血便・粘液便を伴う下痢は腸管の炎症や感染性腸炎の可能性があり、早期の診断と治療が重要です。次に、下痢が数日以上続く、または慢性的に繰り返す場合は、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、吸収障害などの基礎疾患が隠れていることがあります。また、口の渇き、めまい、尿量減少、倦怠感などの脱水状態を伴う場合は特に注意が必要で、高齢者や小児では重篤化しやすいため早めの受診が望まれます。さらに、体重減少や食欲不振を伴う下痢も、慢性疾患や内分泌異常の可能性があるため評価が必要です。これらの症状がある場合は、自己判断せずに医師に相談することが、安全かつ適切な治療につながります。

下痢の治療薬

下痢の治療は、原因や症状の程度に応じて薬物療法を選択することが基本です。軽度の急性下痢では、まず水分補給と電解質補正が最優先となります。特に乳幼児や高齢者では脱水のリスクが高いため、経口補水液や点滴による補液が重要です。

薬物療法では、下痢の種類や原因に応じていくつかの選択肢があります。まず、便を固める薬です。ロペラミドは腸の蠕動運動を抑制して便通を安定させる代表的な薬で、急性の下痢や旅行者下痢症に用いられます。ただし、感染性腸炎や血便を伴う場合は、腸内に病原体を滞留させる可能性があるため使用を控えることが推奨されます。ビスマス製剤も抗菌作用や粘膜保護作用を持ち、軽度の下痢や旅行者下痢症に用いられます。

ビオフェルミン、ミヤBMなどの整腸薬・乳酸菌製剤は、腸内細菌のバランスを整えることで下痢の改善や再発予防に役立ちます。特に慢性下痢や抗生物質使用後の下痢に有効で、副作用が少ないため幅広く使用されます。

感染性下痢の場合は、抗菌薬が必要になることがあります。サルモネラやカンピロバクターなどの細菌感染では、症状の重症度や患者の年齢、免疫状態に応じて適切な抗菌薬を選択します。ただし、ウイルス性下痢では抗菌薬は効果がないため、基本的には対症療法となります。

慢性下痢や過敏性腸症候群に伴う下痢には、腸管運動調整薬や吸着薬が用いられます。例えば、腸の蠕動を穏やかにするピコスルファートやアルロイド系薬、腸内で水分を吸収して便を固めるカルメロースなどが症状に応じて使われます。

いずれの薬も、原因や症状に応じた選択が重要です。自己判断で止瀉薬を長期使用すると、症状を悪化させる場合があるため、医師の診断に基づいて使用することが望まれます。薬物療法と併せて、水分補給や食事管理、生活習慣の改善も行うことで、下痢の早期改善と再発防止につながります。

下痢を認めたら何科を受診すべきか

下痢がひどく、長引く場合や激しい症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。まず一般的には消化器内科が第一選択です。消化器内科では、急性の感染性腸炎や慢性下痢の原因となる炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、吸収障害などを総合的に評価できます。血液検査や便検査、内視鏡検査などを用いて、下痢の原因を特定し、適切な治療方針を立てます。

また、下痢が慢性的に続く場合や便に血液・粘液を伴う場合は、感染症や腫瘍の可能性も考慮する必要があり、専門的な検査が重要です。小児や高齢者で脱水症状が見られる場合は、内科全般や小児科でも受診が推奨されます。さらに、薬剤やホルモン異常による下痢が疑われる場合は、かかりつけ医と連携して内分泌科や総合内科での評価も有効です。

受診時には、症状の経過、便の性状、発熱や腹痛の有無、服薬歴や生活習慣などを詳しく伝えることが診断の精度を高めます。自己判断で止瀉薬を長期間使用するより、医師の診断に基づいた治療を行うことが安全かつ早期改善につながります。


受診すべき診療科の早見表

状況・症状受診すべき診療科
軽い下痢・風邪のような症状一般内科
数日たっても下痢が治らない消化器内科
血便、激しい腹痛、発熱消化器内科または救急外来
子どもの下痢小児科
高齢者の下痢総合内科・老年内科
慢性の下痢(2週間以上)消化器内科
ストレスによる下痢消化器内科 → 心療内科

監修 医師:今野正裕

新宿、西新宿の内科、発熱外来、脳神経内科、整形外科は西新宿今野クリニックへ。予約はこちら

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