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発熱時、コロナ・インフルエンザの検査について

発熱時、コロナ・インフルエンザの検査をする意義について説明します。

どんな健康な人でも、発熱する人は多いと思います。多くの発熱はいわゆる風邪が原因であり、その特徴はほとんどの場合3〜5日で自然寛解するウイルス感染症で、多くは咳、鼻汁、咽頭痛といった多症状を呈することです。

R B turner. Epidemiology, pathogenesis, and treatment of the common cold. Ann Allergy Asthma Immunol. 1997 Jun;78(6):531-9. 

Pam Enderby. Chapter 22 – Disorders of communication: dysarthria, Handbook of Clinical Neurology, Volume 110, 2013, Pages 273-281.

しかしながら、コロナやインフルエンザも似たような症状を呈します。特に無症状の方でもコロナ陽性の方がいるように、コロナの症状は多岐にわたります。つまり我々医師でも、患者様の問診と診察だけでは、風邪、コロナ、インフルエンザかは見分けがつかないのです。

コロナの初頭は、重症者や死者が出る恐ろしい感染症と考えられていました。しかし2023年現在はコロナワクチンが普及したお陰で、感染後に重篤な症状となる方は僅かとなり、世間のコロナへの危機感は薄まったように思えます。なのでよく外来で発熱した患者様が来院されるとき、風邪、コロナ、インフルエンザのどれか白黒つける意味はあるのか、すなわちコロナ、インフルエンザの検査をする必要があるのかと質問されることがあります。

さて、その回答ですが、私は必要はあると思います。

1つ目の理由は、治療薬が異なるからです。風邪の場合は風邪薬のみですが、コロナはコロナ治療薬(ゾコーバ、ラゲブリオなど)+風邪薬、インフルエンザはインフルエンザ治療薬(タミフル、イナビルなど)+風邪薬、となります。

2つ目の理由は、就学就業制限です。風邪の場合は就学就業制限はありませんが、コロナは発症から5日目まで自宅待機を推奨(2023年9月時点では義務ではありません)されており、インフルエンザは発症後5日間が経過し、かつ解熱後2日間です。つまりコロナかインフルエンザだと、学校や仕事に行ってはいけないことが多いです。これらの理由より、発熱時はコロナ、インフルエンザ検査をすることを推奨します

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