コラム3

発熱時、コロナ・インフルエンザの検査をする意義について説明します。

どんな健康な人でも、発熱する人は多いと思います。多くの発熱はいわゆる風邪が原因であり、その特徴はほとんどの場合3〜5日で自然寛解するウイルス感染症で、多くは咳、鼻汁、咽頭痛といった多症状を呈することです。

R B turner. Epidemiology, pathogenesis, and treatment of the common cold. Ann Allergy Asthma Immunol. 1997 Jun;78(6):531-9. 

しかしながら、コロナやインフルエンザも似たような症状を呈します。特に無症状の方でもコロナ陽性の方がいるように、コロナの症状は多岐にわたります。つまり我々医師でも、患者様の問診と診察だけでは、風邪、コロナ、インフルエンザかは見分けがつかないのです。

コロナの初頭は、重症者や死者が出る恐ろしい感染症と考えられていました。しかし2023年現在はコロナワクチンが普及したお陰で、感染後に重篤な症状となる方は僅かとなり、世間のコロナへの危機感は薄まったように思えます。なのでよく外来で発熱した患者様が来院されるとき、風邪、コロナ、インフルエンザのどれか白黒つける意味はあるのか、すなわちコロナ、インフルエンザの検査をする必要があるのかと質問されることがあります。

さて、その回答ですが、私は必要はあると思います。

1つ目の理由は、治療薬が異なるからです。風邪の場合は風邪薬のみですが、コロナはコロナ治療薬(ゾコーバ、ラゲブリオなど)+風邪薬、インフルエンザはインフルエンザ治療薬(タミフル、イナビルなど)+風邪薬、となります。

2つ目の理由は、就学就業制限です。風邪の場合は就学就業制限はありませんが、コロナは発症から5日目まで自宅待機を推奨(2023年9月時点では義務ではありません)されており、インフルエンザは発症後5日間が経過、かつ解熱後2日間です。つまりコロナかインフルエンザだと、学校や仕事に行ってはいけないことが多いです。これらの理由より、発熱時はコロナ、インフルエンザ検査をすることを推奨します

ALSの診断はどのようなプロセスなのか、説明します。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)を診断するプロセスについて、今回は書いていきます。

ALSがどんな病気かは、こちらの記事を参考にしてください。

ALSを診断するには、他の類似疾患を除外しなくてはいけません。人間は、脳→脊髄→神経と刺激が伝わり、体を動かすことができます。このいずれかが障害されていると、体が動かない、麻痺を認めます。つまりALSの類似疾患とは、脳、脊髄、神経が障害される病気です。麻痺を認める具体的な疾患は、こちらを参考にしてください。


ALSの診断で最初にすることは、病歴聴取と診察です。これらで、ALSかまたは他の病気か、見当をつけます。ALSの病歴の特徴は、「緩やかに麻痺が進行している」、「麻痺の範囲が時間と共に広がっている」「喋りにくさを感じる」です。ALSの診察の特徴は、「脳、脊髄、神経障害では説明がつかない麻痺の分布」、「上下肢の筋肉のぴくつき」、「腱反射亢進や病的反射(babinski反射など)」です。


次に、脳、脊髄、神経の病気の有無を調べる検査をします。

脳と脊髄の病気を検査するには、MRIを施行します。

神経の病気を検査するには、採血と神経伝導速度検査をします。神経伝導速度検査とはあまり馴染みがないかもしれませんが、体表から神経に電気を流して、そこから得られる波形を分析する検査です。


病歴、診察、検査でALSが疑わしい場合、筋電図という検査をします。麻痺が強い筋肉に針を刺して、そこから得られる電気的活動を定量的に変換した波形を観察します。概ね1時間前後かかる検査です。


このようにALSの診断をするには、時間がかかります。

そしてALSという病気は、重い病気です。家族のサポートも必須となります。

そして今後の方針、具体的には呼吸がしにくくなったら人工呼吸器を、食事が出来なくなったら胃瘻を装着するかどうかも決める必要があります。なので病名の告知は、家族にも同席してもらい、最大限プライバシーに配慮して行わなくてはいけません。

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西新宿今野クリニック

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整形外科、脳神経内科(神経内科)、内科、リハビリテーション科

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