内科

風邪

風邪を引いたことがない人はほとんどいないと思います。

風邪の症状とは、発熱+上気道症状です。上気道症状とは、咳、鼻水、喉の痛みのことを指します。そして継続期間は3〜5日間は多く、長くても1週間で症状は改善します。

つまり発熱があるけど上気道症状がいずれもない場合、症状が1週間以上継続する場合は、風邪ではない可能性があります。特に高齢者は肺炎やウイス性胃腸炎などに気をつけなくてはいけません。

なのでお早めに医療機関を受診することを勧めます。

風邪は基本的には特効薬はなく対処療法です。解熱剤や総合感冒薬などで対応します。また風邪の原因はウイルスなので、抗生物質は基本的には不要です。

インフルエンザ

インフルエンザは毎年のように話題となる感染症です。

平均3日間の潜伏期間の後に、発熱、鼻閉、鼻汁、咳、痰、頭痛などの全身症状を認めます。健康な成人でも辛い症状なので、乳幼児や高齢者などがかかると重症化する可能性があります。また肥満者、妊娠している方、糖尿病や悪性腫瘍などの病気をお持ちの方は、重症化リスクが高くなります。このようにインフルエンザウイルス感染症は時には恐ろしい結末をもたらす可能性があるので、予防は必須です。冬に入る前にインフルエンザワクチン接種、そして帰宅後の手洗いうがいは必須です。

インフルエンザの治療薬は、色々あります。

  • タミフル(1日2回、5日間。剤形はカプセルです。)
  • ゾフルーザ(成人及び12歳以上は1回2錠、80kg以上は1回4錠を単回投与。剤形は錠剤です。)
  • イナビル(ネブライザーで単回吸入。剤形は吸入粉末剤です。)
  • リレンザ(1日2回吸入、5日間)
  • ラピアクタ(点滴の薬で単回投与です。)

このように剤形も投薬期間も豊富にあります。
またタミフル、イナビル、リレンザはインフルエンザの予防役としても適応が通っています。
インフルエンザ検査キット、コロナインフルエンザ同時検査キットで、すぐに診断がつくので、疑わしい場合は周辺の検査機関に行くことを推奨します。

COVID-19

COVID-19(通称:新型コロナウイルス感染症)は、2019年に中国武漢が発症の地とされている感染症です。変異しやすいウイルスのため、これまでに全世界で6.59億人が感染し、668万人が死亡するという未曾有の事態となりました。軽症で済むケースが大変ですが、重症化することもあり、高齢者や心臓病・糖尿病などの基礎疾患を有する人、妊婦さんは注意が必要です。

診断には、PCR検査・抗原検査・抗体検査が用いられることが一般的です。PCR検査と抗原検査は「現在の感染状況」を表し、抗体検査は「過去に感染していたか」「抗体ができているか」を確かめます。

パンデミックが起きた当初は、病気の症状をやわらげる対症療法が中心でしたが、現在は飲み薬の抗ウイルス薬や中和抗体薬が開発されています。そもそも感染しないために、人混みや三密を避ける、手洗いうがいをしっかり行う、ワクチンを接種するなど、当たり前の感染対策も重要です。

高血圧

高血圧は、色んな疾患の原因となります。高血圧により動脈硬化で動脈が細くなると、心筋梗塞や脳梗塞になりうる可能性があります。高血圧自体は無症状なので放っとかれがちですが、未治療だとこのような疾患となる可能性があり悲惨な結果となる可能性があります。なので高血圧は甘く見ず、しっかりと治療するべきです。サプリメントではなく、薬を飲みましょう。

そもそも、血圧いくつからが高血圧なのでしょうか?
結論を言うと、140/90 mmHg以上です。上の血圧を収縮期血圧、下の血圧を拡張期血圧というのですが、どちらかがこの値を上回った場合、高血圧の診断となります。
また130/80〜139/89 mmHgは高値血圧といい、高血圧には該当しませんが、危険信号の域です。

厳密に言うと、上記はクリニックや病院などの診察室で測った診察室血圧です。
自宅で計測する家庭内血圧は、135/85 mmHg以上が高血圧となります。

高血圧の薬である降圧薬は、現在色んな種類があります。
機序としては、血管を拡張する、心臓の拍動を抑える、体内の水分を尿から排出する、体内水分を増やすホルモンを抑制する、などでしょうか。
薬の選択については、主治医と相談しましょう。

そして高血圧の人は、どれくらいの血圧にするのが目標なのでしょうか。

  • 75歳未満
  • 慢性腎臓病の既往歴があり尿蛋白陽性の方
  • 脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)や冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)の既往歴がある方
  • 糖尿病の既往歴がある方
  • 抗血小板薬(血液サラサラになる薬)を服薬中の方

これらの方は、目標の診察室血圧130/80 mmHg未満、家庭内血圧125/75 mmHg未満です。

  • 75歳以上
  • 慢性腎臓病の既往歴があり尿蛋白陰性の方

これらの方は、目標の診察室血圧140/90 mmHg未満、家庭内血圧135/85 mmHg未満です。

糖尿病

糖尿病とは血糖を下げるインスリンというホルモンの相対的もしくは絶対的不足によって、血糖が高くなっている状態が続く病態です。
糖尿病は大きく分けて4つに分類できます。

  1. 1型糖尿病
    インスリンを作る膵臓の細胞が何らかの原因で破壊されることで、体内のインスリンが絶対的に欠乏する病気です。若年者に多いです。
  2. 2型糖尿病
    インスリンの分泌が少なくなったり、インスリンの効きが悪くなることでなる病気です。主に中高年がなりやすく、特に肥満の方や他の生活習慣病をお持ちの方がなることが多いです。
  3. その他特定の原因
    遺伝子異常、薬剤の副作用が原因でなる糖尿病です。
  4. 妊娠糖尿病
    妊娠中にはじめて診断された糖代謝異常です。

上記の中で頻度は、圧倒的に2が多いです。
2型糖尿病の症状は、多尿、口渇感、疲労感などです。

糖尿病が怖いのは、合併症です。
糖尿病の方は動脈硬化が進むのが早く、血管がどんどん細くなっていきます。
目の網膜、腎臓、神経の血管が障害されやすく、放置すると失明、腎不全となり透析、手足の痺れをきたします。
さらに進行すると心筋梗塞や脳梗塞にもなりうることがあります。

糖尿病の診断は、血液検査で出来ます。
診断は糖尿病の診断基準を見ればそこまで難しくないのですが、簡単に言うと血糖200mg/dl、HbA1c 6.5%以上だと糖尿病と言えます。
昔は糖尿病の薬はインスリンのみでしたが、現在は多種類の内服薬がありますので、主治医に相談してみてください。

高脂血症

高脂血症とは、中性脂肪(TG)や悪玉コレステロール(LDL−C)が高値、善玉コレステロール(HDL−C)が低値である病態です。
具体的には、TG≥ 150 mg/dl、LDL−C≥ 140mg/dl、HDL−C≤ 40 mg/dl
原因は肥満、運動不足、喫煙、加齢、遺伝などにより、これらを認めることが多いです。
高脂血症は項目は健康診断で指摘されることが多いです。
高脂血症を未治療で放置すると動脈硬化が進行して、最悪のケースは心筋梗塞や脳梗塞となります。
高脂血症の治療は、生活習慣の改善、運動療法です。
これらで改善がなかったら、高脂血症改善薬を飲むと良いでしょう。
LDL−Cを下げる薬はスタチン(クレストール®、ロスバスタチン®など)、TGを下げる薬はフィブラート(ベザフィブラート®、パルモディア®など)です。残念ながら、HDL−Cを上げる薬はありません。

これらの薬は稀に横紋筋融解という、筋肉痛をもたらす副作用を認めることがあります。その副作用の有無を確認するために、内服してから最低1回は血液検査でCK値を確認すると良いでしょう。

高尿酸血症

高尿酸血症とは、尿酸値7.0mg/dl以上のことを言います。

男性が圧倒的に多く、成人男性の約2割は高尿酸血症といわれています。

原因は、過食、飲酒、肥満など、生活習慣に関わるものが最多です。

しかし病気によって尿酸値が高い場合もあります。有名どころだと、白血病、慢性腎臓病などです。

高尿酸血症だけでは無症状です。しかしこれが原因で、有名な痛風となることがあります。

痛風の典型例は、足の親指の第2関節の急な激痛、腫れです。もちろん親指だけでなく、足関節、膝に認めることもあります。

また痛風結節といって、耳や手の関節、肘に結節(皮膚の出来物)が出来たり、尿酸結晶が腎臓に沈着して腎臓が悪くなってしまうこともあります。

治療は、生活習慣の改善と尿酸を下げる薬を飲むことです。

具体的には、尿酸値8.0mg/dl以上となったらまず生活習慣を改善することを指導します。野菜や魚中心の食事にし、適度な運動を推奨します。それでも尿酸値が下がらない場合は、尿酸を下げる薬を飲みます。治療目標の尿酸値は6.0mg/dlです。

胃腸炎

胃腸炎の原因の多くはウイルスなので、よく「お腹の風邪」と言われています。

原因となるウイルスは多岐に渡り、有名どころだとノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどでしょうか。
ウイルス性胃腸炎の主な症状は、発熱、嘔吐、腹痛、下痢です。
一般的な経過は、嘔吐のあとに腹痛を認め、その後下痢になることが多いです。
胃腸炎は、一般的には病歴と症状から診断します。場合によっては便培養やロタウイルス抗原検査をすることがあります。
治療は、ウイルス性胃腸炎の特効薬はないので、基本的に対症療法と周辺環境の除菌です。解熱剤、整腸剤の内服、飲食が困難であれば補液をします。

またウイルスよりは頻度が低いですが、細菌が原因となることもあります。
原因となる主な細菌は、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、腸管病原性大腸菌です。症状はウイルス性胃腸炎と似ていますが、しばしば細菌性胃腸炎は血便を伴うことがあります。治療原因となる細菌によって異なります。抗生物質が有効なものもありますし、そうでないものもあるからです。

喘息

喘息とは、気管支喘息、咳喘息、アスピリン喘息など、色々あります。

一般的な喘息のイメージは、気管支喘息だと思います。
気管支喘息とは、アレルギー体質の方がなりやすい病気です。
病態としては、気管の浮腫、そこからの分泌物増加による気流制限です。症状は咳、呼吸困難感です。夜間から早朝に多く認めます。
診断は、胸部レントゲンで異常所見がないこと、胸の聴診で喘鳴を認める、肺機能検査で異常を認める、血液検査でアレルギーの初見を認める、などを参考にします。
治療は、気管支を拡張し炎症を抑えてくれる吸入薬です。
喘息は重度となると、人工呼吸器が必要なほどになる病気です。決して甘く見ることなく、医療機関で見てもらいましょう。

また咳喘息、アスピリン喘息についても、手短に説明します。
咳喘息とは、風邪のあとに慢性的に咳が続いている状態の病気です。
アスピリン喘息とは、ロキソニンを筆頭とした薬剤が原因となる喘息です。

いずれも治療は、吸入薬、内服薬、漢方薬となります。

クリニック案内

西新宿今野クリニック

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医療機関名
西新宿今野クリニック 内科・発熱外来・脳神経内科・整形外科
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診療科目

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