整形外科

骨折

骨折は大きい衝撃が骨に加わらないと起きないイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
突き指をした、ドアに指をはさんだ、足を捻った、足を踏まれたなどの、一見大したことがなさそうな出来事でも、骨折を認めることがあります。

典型的な骨折症状は、受傷部位の疼痛、腫れ、青あざ、内出血です。もちろんそうでなくても骨折の可能性は十分にありますので、気になった場合はすぐにレントゲン設備のある整形外科を受診してください。骨折は色んな種類に分類されるので、説明していきますね。

「程度による分類」
完全骨折、不全骨折に分類されます。
骨の連続性の程度で、完全骨折、不全骨折に分けられます。完全骨折とは、骨の連続性が完全に途絶えた状態です。
不全骨折とは、骨全体の連続性が保たれている状態です。もちろん完全骨折の方が重症度が高く、手術となることが多いです。

「原因による分類」
外傷性骨折、病的骨折、疲労骨折に分類されます。
外傷性骨折とは、骨に強い外力が加わって起こる骨折です。原因は文字通り、事故などです。
病的骨折とは、骨が脆弱な状態となっており、軽微な外力で生じる骨折です。骨密度が低い骨粗鬆症をお持ちのご高齢な方に多いです。
疲労骨折とは、健康な骨に小さな外力が継続して加わることで生じる骨折です。スポーツ選手などが多いです。

「外界との交通による分類」
単純骨折と開放骨折に分類されます。
単純骨折とは、骨折部と外界の交通がない骨折です。
開放骨折とは、外界との交通がある骨折です。
開放骨折は、基本的に重篤になりやすく、場合によっては手術が必要です。必ず整形外科を受診して下さい。

治療は、鎮痛剤(痛み止め)の内服、固定、三角巾、コルセット、テーピング、松葉杖、手術などです。

骨折の通院頻度、治療期間(全治)は、部位や骨折の程度によるので、一概に言えません。

捻挫

ここに捻挫という言葉は良く聞きますね。

主に関節の捻りが原因となることが多いです。
骨折の病変は骨であるのは明らかですが、捻挫の病変はどこなのでしょうか。

結論を言うと、腱、靱帯、軟骨、半月板などです。頻度は、腱と靱帯が多いです。
つまり、受傷部位のレントゲン写真を撮り、骨折が明らかでなかったら捻挫の診断になることが多いです。
具体的にどこの部位が捻挫で障害を受けているか画像で評価するには、エコー検査やMRI検査が必要です。当院はエコー検査があるので、どこの部位が傷んでいるかしっかり把握することができます。

捻挫の典型的症状は、受傷部位の疼痛、腫れです。
もちろんこれらの症状を欠くのに、捻挫である可能性はあります。
来院される時は、何をしている時に、そしてどのような方向と角度で捻ったのかを教えていただけると、スムーズに診断が出来ます。

治療は、鎮痛剤(痛み止め)の内服、テーピング、固定などです。

椎間板ヘルニア

背骨は、椎骨で構成されています。

そして椎骨と椎骨の間には、椎間板という衝撃を吸収するクッションの役割を持つ物質があります。そしてそれらの後ろには脊髄や神経根などの、神経が走っています。椎間板ヘルニアとは椎間板が後方へ脱出し脊髄や神経根を圧迫して、痛みを認めるものです。
椎骨は頚椎、胸椎、腰椎とありますが、腰椎の椎間板ヘルニアの頻度が最も高いです。

症状は、主に足の痛み、足のしびれ、坐骨神経痛、腰痛、排尿障害などです。
原因は悪い姿勢での作業、喫煙などといわれています。

男性に多く、20〜40代に多いです。
基本的に後方に飛び出た椎間板は、自然消失します。なので基本的に湿布や鎮痛剤(痛み止め)を投与して安静に経過を見ることがほとんどです。しかし日常生活に支障が出るような強い痛み、下肢の麻痺が出ている場合は手術となることがあります。

五十肩(肩関節周囲炎)

俗に言う、四十肩や五十肩のことです。

典型的な症状は、まず肩関節の激痛、その後可動域整制限を認めます。

動かしにくさにより髪をとく、ベルトを締めるなどの動作がやりにくくなります。

そのような症状が出た場合、筋肉の断裂による腱板断裂の可能性もあるので、まずは整形外科を受診してください。

治療は、湿布や鎮痛剤(痛み止め)の内服、急性期は冷やして慢性期は温めることです。痛みが強い場合には注射をすることがあります。

変形性膝関節症

膝の関節軟骨が減少することで、膝の痛み、曲げにくいなどの症状をきたす疾患です。

典型的な症状は、立ち上がりや歩行開始時の痛みを認め、休むと症状が改善します。症状が進行すると、痛みで階段の昇降や正座が困難となります。末期となると、安静時にも痛みを認めます。中高年の女性に多くみられ、肥満、膝関節の外傷などにより膝に負担がかかると変形性膝関節症となりやすいです。これらがなくてもなってしまうこともよくあります。

治療は、まず湿布を貼ったり鎮痛剤(痛み止め)の内服、サポーター、インソールなどです。それに加えて、痛み止めや炎症を抑える関節内注射をすることが当院のおすすめです。

これらを行っても症状が改善せず痛みが著しい場合は、脛骨骨切り術や人工関節置換術などの手術が必要となります。

関節リウマチ

関節リウマチの症状は、以下です。

  • 朝起きてから手がこわばる、手が開きにくい。
  • 手指の関節が痛みを持ち熱を持って腫れる。
  • 37度前後の発熱や倦怠感が続く。

関節リウマチの好発は30〜50代の女性です。男女比は1:4と言われています。

関節リウマチの診断基準は以下の通りです。

A 腫脹または圧痛のある関節数

  • 大関節(肩、肘、股、膝、足)が1箇所  0点
  • 大関節が2〜10箇所          1点
  • 小関節(手指の付け根、第2関節、足の指の付け根)に1〜3箇所 3点
  • 1つの小関節を含む11箇所。(顎や肩鎖関節を含んでも良い) 5点

B 自己抗体

  • RF、抗CCP抗体が共に陰性 0点
  • RF、抗CCP抗体のいずれかが弱陽性 2点
  • RF、抗CCP抗体のいずれかが強陽性 3点

C 炎症反応

  • CRP、血沈が共に正常 0点
  • CRP、血沈のいずれかが異常高値 1点

D 罹患期間

  • 6週未満 0点
  • 6週間以上 1点

6点以上で関節リウマチと診断できます。
A、Dの項目は自分で評価することが出来ますが、B、Cは血液検査をしないとわかりません。

関節リウマチは放っておくと変形が高度となり不可逆となる可能性があります。
なので、関節リウマチかもしれないと思ったら、すぐに整形外科を受診してください。

ヘバーデン結節

手指の第1関節が赤く腫脹したり、変形する病気です。原因は明らかではないのですが、40〜50代の女性の好発することから、女性ホルモンの低下が原因と言われています。手先をよく使う人も発病しやすいといわれています。また第2関節に同様の症状を認めるものを、プシャール結節と言います。手指のレントゲンを撮影することで診断することが出来ます。これは関節リウマチと鑑別を要する疾患です。

鑑別方法の一つとして、変形した関節の場所です。ヘバーデン結節は手指の第一関節が変形するのに対して、関節リウマチは第一関節が変形することは稀です。また関節リウマチは血液検査で各種抗体や炎症反応高値を認めることが多いですが、ヘバーデン結節はそうではありません。

治療は、鎮静薬(痛み止め)内服、サポーター、テーピングなどです。

手根管症候群

手首には、舟状骨や有頭骨などの手根骨と屈筋支帯に囲まれた「手根管」と呼ばれるトンネル状の構造があります。手根管内を通る正中神経が手根管内圧の上昇により圧迫されることで、痛みを生じる疾患が手根管症候群です。デスクワーカーや大工などの手を酷使する職業の方や、スポーツをする方によく見られます。手のひらにチクチク・ピリピリとした疼痛が走る点が特徴的です。

手根管症候群では、手首を叩くと親指から薬指にかけて痛みが生じるTinel様徴候や、両手首を合わせる動きをしたときに指先に痛みが生じるPhalenテストの陽性率が高い傾向にあります。

手根管症候群の治療は、保存療法と手術療法の2つに分けられます。保存療法では手首を酷使しないようにする指導や、サポーターなどの装具による手首の固定、ステロイドやNSAIDsなどの抗炎症薬を使った薬物療法が効果的です。保存療法の効果が薄い場合は、正中神経の圧迫を改善する手根管開放術が行われます。

テニス肘

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは、手関節の伸筋群(腕や指を伸ばすときに使われる筋肉)を酷使した結果炎症が起こり、肘の外側から前腕にかけて疼痛が生じる疾患です。卓球やバドミントンなどのラケット競技でも、テニス肘と同様の痛みが見られることがあります。中高年以降のテニスプレイヤーに多いため、該当する方は注意してください。テニス肘の治療には、湿布・外用薬などの薬物療法やテニス肘バンドを使った装具療法が効果的です。予防にはストレッチが効果的なため、運動前後は入念に行いましょう。なお疾患名にテニスと入っていますが、重い荷物を持つ、ふきんをしぼるなどの動作でも痛みを生じることがあります。自然に痛みが引くこともありますが、なかなか良くならないケースもあるため、症状が長引く方は早めに整形外科を受診を勧めます。サポーター、バンド、エルボーラップをすることもあります。

ゴルフ肘

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは、手関節の屈筋群(腕を曲げるときに使われる筋肉)に疲労が蓄積され、炎症が起こる疾患です。ゴルフスイングの動作をとった際、肘の内側から前腕にかけて痛みが広がります。骨と筋肉をつなぐ腱の機能が衰えてきた中高年に多いのが特徴です。ゴルフ肘はゴルフスイングのフォームが乱れたり、練習をしすぎたりすると発症します。予防するために、練習後のストレッチやフォームの見直しを重点的に行いましょう。ゴルフ肘は自然に治ることは少ないため、痛みがあれば治療が必要です。湿布薬や外用薬での薬物療法、体外衝撃波施術を行う物理療法、サポーターやテーピングで保護する装具療法などがあり、保存療法が中心となります。

クリニック案内

西新宿今野クリニック

西新宿駅から徒歩3分

医療機関名
西新宿今野クリニック 内科・発熱外来・脳神経内科・整形外科
住 所
〒160-0023
東京都新宿区西新宿7-21-7

診療科目

内科・発熱外来・脳神経内科・整形外科、リハビリテーション科

電話番号
03-3371-5813