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「風邪かな?」と思って受診したときや、感染症の症状が出たときに処方されることのある抗菌薬。しかし、抗菌薬にはさまざまな種類があり、何をどう選ぶのか疑問に思ったことはありませんか?抗菌薬は細菌を殺す作用や増殖を抑える作用の違い、作用する細菌の範囲(スペクトラム)、飲み方や副作用のリスクなどによって使い分けられます。例えば、軽い喉の感染症では狭い範囲の菌に効く薬が選ばれ、重症感染症や原因菌が不明な場合には広範囲に作用する薬が使われることがあります。また、耐性菌の問題もあり、適切な薬を適切な量・期間で使うことが非常に重要です。このブログでは、抗菌薬の種類や選び方、注意点について、医師の視点からわかりやすく解説します。
細菌感染症とは、体内に細菌が侵入して増殖し、さまざまな症状や病気を引き起こす状態を指します。細菌は自然界や人体に常在する微生物ですが、免疫力の低下や傷口、呼吸器や消化管などの体内環境の変化によって、病原性を持つ細菌が過剰に増えると感染症を引き起こします。代表的なものには、肺炎球菌による肺炎、溶連菌による咽頭炎、大腸菌やサルモネラによる腸炎、黄色ブドウ球菌による皮膚感染症などがあります。
症状は感染部位によって異なります。呼吸器感染では咳や発熱、喉の痛みが現れ、消化管感染では下痢や腹痛、吐き気が起こります。また、重症化すると血流に細菌が回り、敗血症や多臓器不全に至ることもあります。診断には症状の確認に加え、血液検査や培養検査、画像検査などが用いられ、原因菌を特定することで最適な抗菌薬治療が可能になります。
治療は主に抗菌薬の使用ですが、軽症では自然治癒する場合もあります。抗菌薬は細菌の種類や感染部位に応じて適切に選択することが重要で、耐性菌の発生を防ぐために指示された期間・用量を守ることが求められます。日常生活では手洗いや食事の衛生管理、予防接種などで感染リスクを減らすことが大切です。
細菌は単細胞の微生物で、核膜を持たない原核生物に分類されます。形態は球菌、桿菌、らせん菌など多様で、酸素の有無によって好気性菌や嫌気性菌に分かれます。増殖は比較的早く、栄養源があれば短時間で二分裂によって数を増やします。また、細胞壁を持つためペニシリンなどの抗菌薬の標的になりやすく、外膜の有無でグラム陽性菌・グラム陰性菌に分類されることも特徴です。さらに、耐久性のある胞子を形成する種や、毒素を産生して病気を引き起こす種もあり、人の健康に大きな影響を与える微生物として知られています。
主な細菌感染症には、呼吸器、消化器、皮膚、尿路などさまざまな部位で発生するものがあります。
呼吸器感染症では、肺炎球菌やインフルエンザ菌が原因の肺炎、溶連菌による咽頭炎や扁桃炎が代表的です。これらは咳や喉の痛み、発熱などの症状を引き起こします。消化器感染症では、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなどが腸に感染し、下痢や腹痛、吐き気を伴います。皮膚感染症は、黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌によるとびひ、膿瘍、蜂窩織炎などがあり、腫れや痛み、赤みを伴います。尿路感染症では、大腸菌や腸球菌が膀胱や腎臓に感染し、排尿時の痛みや頻尿、腰背部の痛みなどを引き起こします。このほか、髄膜炎、敗血症、骨髄炎など全身に影響する重症感染症もあり、適切な診断と抗菌薬による治療が重要です。
細菌感染症の症状は、感染した部位や原因菌によってさまざまですが、共通して炎症反応に基づく特徴的な症状が現れます。一般的には、発熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状が見られます。感染部位が呼吸器であれば、咳、痰、喉の痛み、呼吸困難などが現れ、肺炎や気管支炎のサインとなります。消化管に感染した場合は、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などが主な症状で、時に脱水や電解質異常を伴うこともあります。
皮膚感染症では、赤み、腫れ、熱感、膿の形成などが典型的で、黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌による膿瘍や蜂窩織炎がよく見られます。尿路感染では排尿時の痛み、頻尿、残尿感、腰背部痛などが特徴です。重症化すると、血流に細菌が回る敗血症や髄膜炎などを引き起こし、全身のショック症状や意識障害を伴うことがあります。症状の出方や重症度は個人差があり、免疫力が低下している場合は軽微な症状でも重篤化することがあるため、早期の医療受診が重要です。
抗菌薬とは、細菌による感染症を治療・予防するために使われる薬のことです。抗生物質とほとんど同義と考えて問題ないです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 対象 | 細菌による感染症(例:肺炎、膀胱炎、中耳炎など) |
| 効果 | 細菌の増殖を抑える or 殺菌する |
| 効かない相手 | ウイルス(例:風邪、インフルエンザ)、真菌(カビ)、寄生虫 など |
| 投与方法 | 経口(飲み薬)、注射、点滴、外用薬(塗り薬)など |
ペニシリン系抗菌薬は、細菌の細胞壁合成を阻害することで増殖を抑え、感染症を治療する代表的な抗菌薬です。細胞壁が破壊されることで細菌は死滅し、特にグラム陽性菌に高い効果を示します。
代表的な薬には、アンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンGなどがあります。主に、咽頭炎や扁桃炎、肺炎、皮膚感染症、尿路感染症など幅広い感染症に用いられます。副作用は比較的少ないですが、発疹やアレルギー反応、まれにアナフィラキシーショックが起こることがあるため、過去にペニシリンアレルギーのある人は注意が必要です。また、耐性菌の出現により効果が弱まる場合もあるため、医師の指示に従い、用法・用量を守って服用することが重要です。
セフェム系抗菌薬(セファロスポリン系)は、ペニシリン系と同様に細菌の細胞壁合成を阻害して増殖を抑える抗菌薬です。広範囲の細菌に効果があり、グラム陽性菌だけでなく、グラム陰性菌にも作用する薬が多いため、肺炎、尿路感染症、皮膚感染症、耳鼻科領域の感染症など幅広く使われます。第一世代から第四世代まであり、世代が進むほどグラム陰性菌への効果が強くなる傾向があります。
代表的な薬にはセファレキシン、セフトリアキソン、セフピロムなどがあります。副作用としては発疹や下痢、まれにアレルギー反応が起こることがあります。また、耐性菌の問題もあるため、医師の指示に従い、決められた期間と用量で服用することが重要です。
マクロライド系抗菌薬は、細菌のタンパク質合成を阻害することで増殖を抑える抗菌薬です。ペニシリン系やセフェム系が効きにくい場合や、呼吸器感染症、皮膚感染症、クラミジア感染症など幅広い感染症で用いられます。
代表的な薬には、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンなどがあります。マクロライド系はグラム陽性菌や一部のグラム陰性菌、マイコプラズマやクラミジアなど細胞内寄生菌にも効果があるのが特徴です。また、抗炎症作用や免疫調整作用を持つため、慢性呼吸器疾患の管理に使われることもあります。副作用としては、下痢や胃の不快感、まれに肝機能障害や心電図のQT延長などが報告されているため、医師の指示に従って服用することが大切です。
テトラサイクリン系抗菌薬は、細菌のタンパク質合成を阻害することで増殖を抑える広範囲型の抗菌薬です。グラム陽性菌・グラム陰性菌の両方に効果があり、肺炎、尿路感染症、皮膚感染症、リケッチア感染症、クラミジア感染症など幅広い感染症に用いられます。
代表的な薬には、ドキシサイクリンやミノサイクリンがあります。マクロライド系と同様に細胞内寄生菌にも有効で、特殊な感染症でも使用されることがあります。副作用としては、胃腸症状、光線過敏症、歯や骨の着色などが報告されています。そのため、服用中は日光への曝露を避けることや、妊娠中・小児への使用に注意が必要です。適切な用量と期間を守ることが重要で、医師の指示に従って使用することが推奨されます。
ニューキノロン系抗菌薬は、細菌のDNA合成を阻害することで増殖を抑える広域抗菌薬です。主にグラム陰性菌に強い効果を示し、尿路感染症、呼吸器感染症、腸管感染症、皮膚感染症など幅広い感染症に用いられます。
代表的な薬には、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシンなどがあります。経口・静注どちらでも使用可能で、重症感染症から日常的な感染症まで対応できるのが特徴です。副作用としては、胃腸症状、腱炎や腱断裂、神経症状、QT延長などが報告されており、特に高齢者や腎機能障害のある人では注意が必要です。また、耐性菌の出現も問題となるため、医師の指示に従い、必要な期間・用量を守って服用することが重要です。
アミノグリコシド系抗菌薬は、細菌のタンパク質合成を阻害することで強力な抗菌作用を発揮する薬です。主にグラム陰性菌に対して効果が高く、敗血症や重症尿路感染症、院内感染症などの治療に使われます。
代表的な薬には、ゲンタマイシン、アミカシン、ストレプトマイシンなどがあります。経口では吸収されにくいため、通常は静脈注射や筋肉注射で投与されます。副作用としては、腎障害や耳毒性が起こることがあり、血中濃度の測定や腎機能の確認が必要です。また、他の抗菌薬との併用で相乗効果を狙うこともあります。効果は非常に高い一方で、安全性の管理が重要な薬剤であり、医師の指示に従って使用することが不可欠です。
グリコペプチド系抗菌薬は、細菌の細胞壁合成を阻害して増殖を抑える抗菌薬で、主にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など耐性菌に効果があります。
代表的な薬にはバンコマイシンやテイコプラニンがあり、重症感染症や院内感染症で使用されます。経口では吸収されにくいため、通常は静脈注射で投与されます。副作用として腎障害や発疹、注射部位の反応が起こることがあり、投与中は血中濃度や腎機能の管理が重要です。耐性菌の増加を防ぐため、医師の指示に従って正確に使用することが求められます。
サルファ剤(スルホンアミド系)は、細菌が増殖する際に必要な葉酸の合成を阻害することで抗菌作用を示す薬です。葉酸は細菌にとって必須の栄養素であり、これを妨げることで細菌の増殖を抑制します。
代表的な薬にはスルファメトキサゾール、スルファジアジンなどがあり、尿路感染症、呼吸器感染症、腸管感染症などに用いられます。また、トリメトプリムと併用されることが多く(合剤としてSMX-TMP)、相乗効果により幅広い細菌に効果を発揮します。副作用として、発疹や光線過敏症、まれに血液障害や肝障害が起こることがあります。服用中は水分を十分に摂取し、医師の指示に従って用量・期間を守ることが重要です。
カルバペネム系抗菌薬は、細菌の細胞壁合成を阻害することで強力な抗菌作用を持つ広域抗菌薬です。グラム陽性菌・グラム陰性菌・嫌気性菌など、幅広い種類の細菌に効果があり、特に多剤耐性菌による重症感染症や院内感染症の治療に用いられます。
代表的な薬には、イミペネム、メロペネム、ドリペネムなどがあります。経口では吸収されにくく、通常は静脈注射で投与されます。副作用としては、発疹、下痢、まれに腎機能障害や中枢神経症状が報告されており、特に腎機能の低下した患者では注意が必要です。耐性菌の発生を防ぐため、医師の指示に従い、適切な用量と期間で使用することが重要です。
リネゾリド系抗菌薬は、細菌のタンパク質合成を阻害して増殖を抑える抗菌薬で、主にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などの耐性菌に使用されます。
代表的な薬はリネゾリドで、重症感染症や院内感染症で用いられます。経口・静注どちらでも使用可能で、治療の柔軟性が高いのが特徴です。副作用としては血小板減少や消化器症状、まれに末梢神経障害が報告されており、投与中は血液検査によるモニタリングが必要です。耐性菌対策の観点からも、医師の指示に従い適切に使用することが重要です。
次に症状ごとの抗菌薬投与例を、いくつか紹介します。(下記例以外にも適切な抗菌薬はあります)
抗生物質の耐性菌とは、通常は抗菌薬で抑えられる細菌が、薬の作用に対して抵抗力を持ち、増殖や感染を続けるようになった菌のことです。耐性は、細菌が遺伝子変異やプラスミドによる遺伝子獲得などで、薬の標的を変化させたり、薬を分解・排出する仕組みを持つことで生じます。耐性菌に感染すると、標準的な抗菌薬が効かず、治療が難しくなり、重症化や感染拡大のリスクが高まります。代表例として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性結核菌などがあります。耐性菌を防ぐには、抗生物質を必要な時だけ適切な量と期間で使用し、自己判断で中断したり余った薬を使わないことが重要です。
抗菌薬投与によって耐性菌が生まれる仕組みは、自然選択と遺伝子変異によるものです。細菌の集団には、わずかに抗菌薬に耐性を持つ個体が存在することがあります。抗菌薬を投与すると感受性のある細菌は死滅しますが、耐性を持つ細菌は生き残り、増殖して集団内で優勢になります。また、細菌は遺伝子変異やプラスミドを介した遺伝子獲得により、新たに耐性機能を獲得することもあります。これにより、従来効いていた薬が効かなくなる耐性菌が形成されます。耐性菌の拡大を防ぐためには、抗菌薬を正しい用量・期間で使用し、不要な乱用を避けることが重要です。
薬剤耐性菌は、通常の抗菌薬では治療が困難になるため、感染症の重症化や治療期間の延長、死亡リスクの増加などを引き起こす重大な問題です。耐性菌に感染すると、標準的な抗菌薬が効かず、より強力で副作用の強い薬や長期の治療が必要になることがあります。また、院内感染や地域での感染拡大のリスクも高まり、医療現場での感染対策が難しくなります。さらに、新しい抗菌薬の開発は時間と費用がかかるため、耐性菌の増加は公衆衛生上の大きな課題となります。代表的な耐性菌としては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などがあり、世界的に蔓延が問題視されています。そのため、抗菌薬の適正使用や感染予防策の徹底が不可欠です。
耐性菌を作らないためには、抗菌薬を正しく使うことが最も重要です。まず、医師の指示に従い、用量や服用期間を守ることが基本です。症状が改善しても自己判断で途中でやめず、必ず最後まで服用することで、耐性菌の選択を防げます。また、風邪やウイルス感染症など抗菌薬が不要な場合には使用しないことが大切です。さらに、手洗いやマスク、換気などの感染予防対策を徹底することで、細菌の感染拡大自体を防げます。残った抗菌薬を自己判断で使ったり、他人に譲ることも避けるべきです。これらを守ることで、耐性菌の発生リスクを抑え、安全で効果的な治療につなげることができます。
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