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免疫抑制状態にある患者にとって、サイトメガロウイルス(CMV)感染症は依然として大きな課題です。特に造血幹細胞移植や臓器移植後では、CMVの再活性化によって肺炎や腸炎、肝炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあり、治療が難渋するケースも少なくありません。これまでCMV感染症の治療にはガンシクロビルやホスカルネットなどが用いられてきましたが、骨髄抑制や腎障害といった副作用、さらには耐性ウイルスの出現が問題となっていました。
こうした背景の中で登場したのが、マリバビルです。マリバビルは、従来薬とは異なる作用機序を持つ新しい抗CMV薬で、既存の治療薬が効かない、あるいは副作用で使用できない患者に対する治療の新たな選択肢として注目されています。本記事では、マリバビルとはどのような薬なのか、従来治療との違いや臨床的な位置づけについて、わかりやすく解説していきます。
サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルス科に属するウイルスで、多くの成人がすでに感染歴を持っています。健常人では初感染や再活性化が起こっても無症状で経過することがほとんどですが、免疫が低下した状態では重篤な感染症を引き起こす点が大きな問題です。特に造血幹細胞移植や臓器移植後、あるいは強力な免疫抑制療法を受けている患者では、CMVの再活性化によって全身臓器に障害を及ぼす可能性があります。
CMV感染症が問題となる理由の一つは、発症すると肺炎、腸炎、肝炎、網膜炎など多彩な臓器障害を引き起こし、生命予後や移植片の生着に悪影響を及ぼす点です。特にCMV肺炎やCMV腸炎は治療が難しく、重症化すると長期入院や集中治療が必要になることもあります。また、CMV感染症は直接的な臓器障害だけでなく、他の感染症や拒絶反応を誘発するなど、移植後経過全体を不安定にする要因となります。
さらに治療面でも課題があります。従来用いられてきた抗CMV薬は一定の効果を示す一方で、骨髄抑制や腎障害といった副作用が問題となりやすく、長期使用が困難なケースも少なくありません。加えて、治療を繰り返す中で薬剤耐性CMVが出現すると、治療選択肢が著しく限られてしまいます。このように、CMV感染症は発症予防から治療まで多くの課題を抱えており、免疫抑制患者の管理において常に注意が必要な感染症と言えます。
サイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療には、これまでガンシクロビルやバルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビルといった抗ウイルス薬が用いられてきました。これらの薬剤は一定の治療効果を示すものの、臨床現場ではいくつかの限界が指摘されています。
最も大きな問題は、副作用の頻度と重さです。ガンシクロビル系薬剤では骨髄抑制が起こりやすく、白血球減少や血小板減少によって治療継続が困難となることがあります。一方、ホスカルネットやシドフォビルでは腎障害のリスクが高く、もともと腎機能が低下している移植後患者では使用に慎重な判断が求められます。
さらに、治療を繰り返す過程で薬剤耐性CMVが出現する点も大きな課題です。耐性が生じると治療効果が低下し、使用可能な薬剤が限られてしまいます。また、従来薬の多くは点滴投与が必要であり、入院や長期の静脈管理を要することも患者負担の増大につながります。このように、従来の抗CMV治療は有効性と安全性、さらには治療継続の面で限界があり、新たな治療選択肢の必要性が高まっていました。
マリバビルは、サイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療に用いられる新しい作用機序をもつ抗ウイルス薬である。従来の抗CMV薬であるガンシクロビルやホスカルネット、シドフォビルは、いずれもウイルスDNAの合成を阻害する薬剤であり、骨髄抑制や腎障害といった副作用が問題となることが多かった。一方、マリバビルはこれらとは全く異なる標的をもつ点が大きな特徴である。マリバビルは、CMVが持つUL97プロテインキナーゼを選択的に阻害する。UL97は、ウイルスDNAの複製後に行われる核内での成熟過程や、ウイルス粒子の核外輸送に重要な役割を果たしている酵素である。このUL97の働きが阻害されることで、CMVは増殖に必要な成熟段階を進めることができず、感染の拡大が抑えられる。ガンシクロビルもUL97によるリン酸化を受けて活性化されるが、マリバビルはUL97そのものを阻害するため、ガンシクロビル耐性CMVに対しても効果を示す場合がある。この点は、再発や治療抵抗性が問題となる造血幹細胞移植後や臓器移植後のCMV感染症において、大きな臨床的意義を持つ。また、マリバビルはDNAポリメラーゼを直接阻害しないため、骨髄抑制が比較的少ないとされている。従来薬で治療継続が困難であった患者にとって、新たな選択肢となる薬剤であり、今後のCMV治療戦略において重要な位置を占めると考えられる。
CMV関連薬としてしばしば混同されるのが**プレバイミス(レテルモビル)**です。
両者の違いを整理すると以下の通りです。
| 項目 | マリバビル | プレバイミス |
|---|---|---|
| 用途 | 治療薬 | 予防薬 |
| 対象 | 既にCMV感染を起こした患者 | 発症前の予防 |
| 作用機序 | UL97キナーゼ阻害 | DNAターミナーゼ阻害 |
| 使用場面 | 耐性・不耐性例 | 移植後早期 |
同じCMVに対する薬でも、使うタイミングと目的が全く異なる点が重要です。
マリバビル(商品名:リブテンシティ®)は、日本においてサイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療薬として2024年6月24日に厚生労働省から製造販売承認を取得しました。承認された適応は、造血幹細胞移植や臓器移植後に発症したCMV感染症で、既存の抗CMV薬に抵抗性(難治性)を示す患者に対する治療です。この承認により、難治性CMV感染症に対してUL97プロテインキナーゼを標的とする新しい治療選択肢が日本でも正式に導入されました。
承認の背景には、国際的な大規模臨床試験(TAK-620-303/SOLSTICE試験)で、マリバビルが既存治療との比較でウイルス血症の消失率を改善する効果が示されたことがあり、日本人を含む患者での有効性と安全性が評価されています。
承認後、2024年8月には「リブテンシティ錠200mg」として日本国内で発売され、通常の内服治療薬として医療現場で使用できるようになっています。発売を受けて薬価基準にも収載され、公的医療保険の対象となることで、保険診療として処方が可能になりました。これにより、従来の治療が困難だった症例にも専門的治療を提供できる体制が整いつつあります。
一般的に新薬が公的医療保険に収載されるまでには承認後の薬価算定や中医協(中央社会保険医療協議会)での審議を経る必要がありますが、マリバビルは承認から比較的短期間で薬価基準に掲載され、実臨床での活用が進んでいる点も注目されています。こうしたプロセスを経て、難治性CMV感染に対する新しい治療薬としての導入が進んでいるのです。
マリバビル(リブテンシティ®)は、サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対して経口投与が可能な抗ウイルス薬です。通常、成人には1回400mgを1日2回、食事の有無にかかわらず経口投与します。錠剤製剤であるため、点滴治療が不要であり、外来治療や入院期間の短縮にもつながる点が特徴です。
投与期間は患者のウイルス量や臨床経過に応じて調整され、CMV血症の消失を確認しながら継続の可否を判断します。腎機能障害がある患者でも原則として用量調整は不要とされており、従来の抗CMV薬と比較して投与管理がしやすい点も臨床的な利点です。ただし、併用薬との相互作用には注意が必要で、治療開始前には十分な確認が求められます。
マリバビルは、従来の抗CMV薬と比較して安全性に配慮された薬剤とされています。臨床試験および実臨床で報告されている副作用として最も多いのは、味覚異常(味が変わる、苦味を感じるなど)であり、多くは軽度から中等度で投与継続が可能なケースが大半です。この味覚異常はマリバビルに特徴的な副作用で、重篤な健康被害に至ることはまれとされています。
一方、従来薬で問題となっていた骨髄抑制や腎障害は比較的少ない点が大きな利点です。ガンシクロビル系薬剤でみられる白血球減少や、ホスカルネットによる腎機能悪化のリスクが低いため、移植後患者など全身状態が不安定な症例でも使用しやすいとされています。ただし、肝機能障害や消化器症状が報告されることもあり、定期的な血液検査による経過観察は必要です。全体として、マリバビルは有効性と安全性のバランスに優れた抗CMV治療薬と位置づけられています。
マリバビルは比較的安全性の高い抗CMV薬ですが、薬物相互作用には十分な注意が必要です。マリバビルは肝臓の薬物代謝酵素や薬物輸送体に影響を与えることが知られており、特にCYP3AやP-糖蛋白を介して代謝・排泄される薬剤との併用では血中濃度が変動する可能性があります。そのため、併用薬によっては効果減弱や副作用増強が起こるおそれがあります。
また、ガンシクロビルやバルガンシクロビルとの併用は推奨されていません。これは、マリバビルがCMVのUL97キナーゼを阻害する作用を持つため、ガンシクロビルの活性化を妨げ、治療効果を低下させる可能性があるためです。免疫抑制薬、抗真菌薬、抗てんかん薬など多剤併用となりやすい移植患者では、投与前に服薬内容を十分に確認することが重要です。マリバビル使用時は、相互作用を考慮した慎重な薬剤選択が必須です。
マリバビルは、移植後の難治性サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する新しい経口治療薬であり、主に移植医療を行う専門施設で使用される薬剤です。ただし、一般内科医であっても、その特徴と注意点を理解しておくことは重要です。
まず、マリバビルは通常のインフルエンザや市中感染症に用いられる薬ではなく、適応は限定的である点を押さえる必要があります。免疫抑制状態の患者が発熱や倦怠感を訴えた場合、CMV感染の関与が疑われることがあり、専門医への紹介を考える際の判断材料となります。次に、従来の抗CMV薬と異なり、骨髄抑制や腎障害が比較的少ないという特徴があります。一方で、味覚異常や薬物相互作用といったマリバビル特有の注意点も存在します。特にガンシクロビル系薬剤との併用は避ける必要があり、処方内容の把握が欠かせません。
一般内科医が直接処方する機会は多くありませんが、服薬中患者の全身管理や副作用相談を受ける場面は十分に考えられます。マリバビルがどのような薬で、どのような患者に使われているのかを理解しておくことは、専門医との連携や安全な患者対応につながります。
マリバビルは、従来の抗CMV薬では治療が困難であった難治性・薬剤耐性サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対して、新たな選択肢として登場した経口抗ウイルス薬です。UL97キナーゼ阻害という従来とは異なる作用機序を持ち、骨髄抑制や腎障害といった重篤な副作用が比較的少ない点が大きな特徴です。
また、点滴治療を必要としない内服薬であることから、患者の身体的負担や入院期間の短縮にも寄与します。一方で、味覚異常といった特徴的な副作用や、ガンシクロビル系薬剤との併用ができないなど、使用にあたっての注意点も存在します。そのため、適応患者の見極めと、薬物相互作用を含めた慎重な管理が重要となります。
一般内科医が直接処方する機会は限られるものの、免疫抑制状態の患者を診療する場面ではCMV感染症を念頭に置く必要があります。マリバビルの位置づけを理解しておくことは、専門医への適切な紹介や、服薬中患者への安全な対応につながります。今後、実臨床での使用経験が蓄積されることで、CMV治療の選択肢はさらに広がっていくと考えられます。
監修 医師:今野正裕
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