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パーキンソン病は、中脳の黒質と呼ばれる部位にあるドパミン神経細胞の変性・脱落によって引き起こされる神経変性疾患です。ドパミンは運動の調整や筋肉の動きのスムーズさに関与する神経伝達物質であり、これが不足すると運動障害が現れます。パーキンソン病の原因は完全には解明されていませんが、加齢、遺伝的要素、環境要因の複合的影響が関与すると考えられています。
加齢は最大のリスク因子であり、50歳以降に発症することが多く、年齢とともに黒質のドパミン神経細胞は徐々に減少していきます。また、家族性パーキンソン病では、LRRK2、PINK1、Parkin、SNCAなどの遺伝子変異が関与しており、これらはミトコンドリア機能異常やα-シヌクレインというタンパクの異常蓄積を通じて神経細胞の障害を引き起こすとされています。しかし、全体のパーキンソン病の大多数は孤発性であり、遺伝的要因だけで説明できません。
さらに、環境要因としては、農薬や重金属への曝露、脳外傷、酸化ストレスなどがリスクを高めることが知られています。これらは神経細胞にダメージを与え、ドパミン神経の変性を促進すると考えられています。近年では、腸内環境の異常や慢性的な炎症がパーキンソン病発症に関与する可能性も示唆されています。
総合すると、パーキンソン病は単一の原因ではなく、遺伝的素因と加齢、環境因子が複雑に絡み合った結果、黒質のドパミン神経細胞が減少し、運動や非運動症状が出現する疾患と位置づけられます。早期発見と治療により、症状の進行を抑えることが可能です。
パーキンソン病の主たる症状は、静止時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害です。これらの運動症状に加えて、非運動症状(便秘、抑うつ、自律神経障害、睡眠障害、嗅覚障害など)と、あらゆる症状を認める病気です。パーキンソン病についての記事は、こちら。
パーキンソン病の発症原因は未だ解明されていませんが、いくつかの仮説があります。今回はそのうちで最も有名な、braak仮説を説明します。braak仮説とは、パーキンソン病の病原体が鼻腔から体内に侵入し、その後飲み込まれて消化管に到達し、鼻と消化管でレビー病変という物質を作り、その後その物質が脳へ上行するという、2003年に提唱されたものです。もちろん仮説なので、批判や議論があるのは事実です。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5304413/
パーキンソン病の発症メカニズムを理解するうえで注目される仮説の一つが、ブラーク仮説です。これは2003年にドイツの神経病理学者ハインツ・ブラークらによって提唱されたもので、パーキンソン病が中枢神経系においてどのように進行するかを段階的に示すものです。ブラーク仮説は、パーキンソン病の特徴であるレビー小体(α-シヌクレインが異常に蓄積した神経細胞内の封入体)**の分布パターンを基にしています。
仮説によれば、パーキンソン病は初期に末梢神経系や脳幹下部から始まるとされます。具体的には、嗅球や迷走神経核(脳幹の背側運動核)が最初に異常を受け、α-シヌクレインが蓄積します。この段階では運動症状はほとんど現れず、嗅覚障害や便秘などの非運動症状が先行することが多いとされます。その後、病変は中脳の黒質に広がり、ここでドパミン神経細胞の変性が進行することで、古典的な振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害といった運動症状が出現します。さらに進行すると、大脳皮質にも病変が広がり、認知機能低下や精神症状が現れるとされています。
ブラーク仮説の重要なポイントは、パーキンソン病は単に中脳黒質の障害にとどまらず、全身の神経系に連続的に病変が広がる疾患であるという考え方です。この仮説は、非運動症状の早期出現を説明するうえで非常に有用であり、早期診断や予防戦略を考えるうえで臨床的な意義があります。さらに、α-シヌクレインの異常蓄積が神経細胞間で伝播する「プリオン様」性質を持つ可能性が示唆されており、病気の進行機序の研究や新規治療法開発にも影響を与えています。
ただし、すべてのパーキンソン病患者がブラーク仮説の進行パターンに完全に一致するわけではなく、個人差や遺伝的・環境的要因によって病変の広がり方や症状の現れ方には差があります。それでも、ブラーク仮説はパーキンソン病の理解を深める統一的なモデルとして広く受け入れられており、研究や臨床現場での病態把握に重要な指針となっています。この仮説は多くのパーキンソン病の症例に当てはまります。
ところで、パーキンソン病様の症状のことを、パーキンソニズムと呼びます。実はパーキンソニズムを認める病気は、パーキンソン病だけではありません。パーキンソニズムを認める病気は、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、Huntington病、進行形Alzheimer病、前頭側頭型認知症などです。あまり聞き馴染みのない病気だと思いますが、いずれも脳神経変性疾患です。また病気以外でも、薬剤や金属中毒、感染症、外傷などでパーキンソニズムをを認めることがあります。パーキンソン病も、パーキンソン病以外のパーキンソニズムを来す病気も、根本的に治療することは現在の医療では不可能です。しかしパーキンソン病の場合、症状を緩和する薬が多く存在するので、正確に診断することは非常に有意義といえます。従って、パーキンソニズムを認めた場合、脳神経内科か脳神経外科に相談し、適切な診断を受けることをオススメします。
監修 医師:今野正裕
新宿、西新宿の内科、発熱外来、脳神経内科、整形外科は西新宿今野クリニックへ。予約はこちら。