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【休診日】日祝、水曜午後、土曜午後 ※第2第4土曜
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手のしびれは多くの人が経験する症状であり、一過性のものから、神経や脊髄の病気を背景とするものまで原因はさまざまです。
しびれとは、神経の伝達が正常に行われなくなった結果として生じる感覚異常で、「ビリビリする」「感覚が鈍い」「ジンジンする」「冷たく感じる」などの訴え方がされます。
その原因を理解するには、神経の走行(脳・脊髄→末梢神経→手)を意識して、どの部位に障害があるのかを推測することが重要です。
最も多いのが、手首や肘などで神経が圧迫される「絞扼性神経障害」です。
手首の「手根管」というトンネル内で、正中神経が圧迫されて起こります。
親指、人差し指、中指、薬指の一部にしびれが出やすく、夜間や朝方に悪化します。進行すると、親指の付け根の筋肉(母指球筋)がやせて、細かい作業がしづらくなります。
更年期の女性、妊娠中、糖尿病や透析中の方に多くみられます。
肘の内側(尺骨神経溝)で尺骨神経が圧迫される病気です。小指と薬指のしびれが特徴的で、手の内側の筋力低下も起こります。長時間の肘の曲げ伸ばしや、机に肘をつく習慣などが原因となります。
上腕部や前腕で橈骨神経が圧迫され、「手首が下がる(下垂手)」が典型です。飲酒後に腕枕で寝る「サタデーナイト症候群」などでも生じます。
首から出た神経が鎖骨や肋骨の間で圧迫される状態で、首・肩・腕のしびれやだるさが出ます。なで肩や姿勢の悪さ、重い荷物を持つ仕事の方に多くみられます。
首の骨(頸椎)は、脊髄や神経根が通る重要な経路です。加齢変化や外傷などで神経が圧迫されると、手にしびれや痛みが出ます。
椎間板の変性や骨のトゲ(骨棘)が神経根を圧迫して発症します。
片側の首から肩、腕、手にかけてしびれや痛みが出ます。しびれの範囲は圧迫される神経の高さによって異なります(例:C6で親指、C7で中指など)。
脊髄そのものが圧迫されるタイプです。両手のしびれや巧緻運動障害(ボタンが留めづらい、箸が使いにくい)、歩行のふらつきが見られ、進行性です。
放置すると手足の麻痺に進行することもあり、手術が検討されます。
椎間板が突出して神経根を圧迫することで起こります。突然の首や肩の痛みを伴い、片側の手のしびれが出ます。若年層でもみられます。
高血糖が長期間続くことで、末梢神経が障害されます。手足の先端から「左右対称に」しびれや感覚鈍麻が進むのが特徴です。痛みを伴うこともあり、「手袋・靴下型」と表現されます。
胃切除後や長期の胃薬(PPI)使用者、高齢者に多く、末梢神経障害によるしびれが出ます。
代謝低下により、浮腫や神経障害が起こり、しびれや手のこわばりを訴えることがあります。
透析を長年行っている患者では、手根管症候群を合併しやすく、しびれが出ることがあります。
しびれが「片側の顔と手足」などに同時に出る場合は、中枢神経障害を疑います。
突然の手足のしびれ・脱力が起こる場合は緊急です。脳の感覚野や視床の病変で、感覚障害のみを呈することもあります。
比較的若年者に発症し、左右非対称のしびれや運動障害を繰り返します。MRIで診断されます。
軽症例や原因が明確な場合、多くは保存療法から始めます。
パソコンやスマートフォン操作の姿勢改善、肘をつかない習慣、手首の固定など。
夜間のしびれには手首のサポーター(手根管用装具)が有効なこともあります。
- ビタミンB群(メコバラミンなど):神経修復を助ける。
- 鎮痛・神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン、デュロキセチンなど):しびれや痛みを軽減。
- 糖尿病治療:血糖コントロールが最重要。
- ステロイドや抗炎症薬:炎症や浮腫を軽減する場合に使用。
首や肩のストレッチ、神経の滑走運動(nerve gliding)などが有効です。
リハビリで姿勢改善を図ることも再発予防になります。
圧迫が強い場合や保存療法で改善しない場合、手術が検討されます。
軽いしびれを放置すると、神経が慢性的に障害され、感覚低下や筋萎縮が残ることがあります。
また、脊髄圧迫や脳の病気が原因であった場合は、進行性の麻痺に至る危険もあります。
早期に原因を特定し、適切な治療を行うことで、多くのケースで改善が可能です。
手のしびれは、単なる疲労や血行不良だけでなく、
神経圧迫・頸椎疾患・代謝異常・脳疾患 など多岐にわたる原因があり、
正確な診断と早期の対応が重要です。
治療は原因に応じて、薬物療法・理学療法・装具・手術などを組み合わせて行います。
多くの症例で、早期発見・早期治療によりしびれの改善が期待できます。
また、脊髄が原因の手の痺れの多くは、首の骨(頚椎)の変性です。痺れの分布も中指だけ、薬指と小指だけ、などと特徴的な分布となっています。脊髄の痺れの分布は、以下の記事を見るとわかりやすいです。
野崎寛三, デルマトーム図. 脊髄外科. 2012 年 26 巻 2 号 p. 147-161