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― アルツハイマー病治療はどこまで進んだのか ―
アルツハイマー病は、高齢化が進む日本において患者数が増え続けている重要な疾患です。これまでの治療は、症状の進行を一時的に和らげる対症療法が中心であり、病気そのものの進行を抑える治療は長らく存在しませんでした。そのような中、近年「疾患修飾薬」と呼ばれる新しい考え方の治療薬が登場し、アルツハイマー病治療は大きな転換期を迎えています。その代表的な薬の一つがキスンラ(Kisunla:一般名ドナネマブ)です。
キスンラは、日本でも承認され、健康保険の適用となったアルツハイマー病治療薬であり、病気の原因に直接働きかけることを目的とした薬です。本記事では、キスンラの特徴や作用機序、効果、安全性、どのような患者に適しているのかについて、分かりやすく解説します。
アルツハイマー病は、認知症の中で最も頻度の高い疾患です。記憶障害を中心に、判断力や理解力の低下、日常生活動作の障害が徐々に進行していきます。発症初期には「物忘れが増えた」「同じことを何度も聞く」といった軽度の症状が目立ちますが、進行すると金銭管理や服薬管理が難しくなり、最終的には介護を必要とする状態になります。
脳内では、アミロイドβ(Aβ)と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞の障害や脱落が起こることが発症・進行に深く関与していると考えられています。このアミロイドβの蓄積は、症状が出る何年も前から始まっているとされ、アルツハイマー病治療の重要な標的となってきました。
従来のアルツハイマー病治療では、ドネペジルやメマンチンといった薬剤が用いられてきました。これらの薬は、神経伝達物質の働きを調整することで、一時的に認知機能の低下を緩和する効果が期待されます。
しかし、これらは病気の進行そのものを止める薬ではありません。症状の進行速度を大きく変えることは難しく、「できるだけ現状を保つ」ことが治療の主な目的でした。そのため、患者や家族からは「根本的な治療薬がほしい」という声が長年上がっていました。
キスンラは、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβに直接作用する抗体薬です。一般名はドナネマブで、点滴静注によって投与されます。従来の対症療法とは異なり、脳内に蓄積したアミロイドβを除去することで、病気の進行を抑えることを目的としています。
このような薬は「疾患修飾薬」と呼ばれ、アルツハイマー病治療の考え方を大きく変える存在といえます。キスンラは、特に早期アルツハイマー病を対象としており、軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症段階で使用されます。
キスンラは、アミロイドβの中でも特定の構造をもつ蓄積型アミロイドβに結合する抗体です。この抗体がアミロイドβに結合すると、免疫系がそれを異物として認識し、脳内から除去する仕組みが働きます。
その結果、脳内のアミロイドβ沈着が減少し、神経細胞へのダメージが軽減されると考えられています。実際の臨床試験では、脳画像検査においてアミロイドβの量が有意に減少することが確認されています。
臨床試験では、キスンラを投与した患者において、認知機能や日常生活動作の低下速度が抑えられることが示されました。重要なのは、「認知機能が元に戻る薬」ではなく、「低下のスピードを遅らせる薬」である点です。
特に、症状が軽い段階で治療を開始した患者ほど、効果が得られやすいとされています。このことから、早期診断と早期治療の重要性が、これまで以上に強調されるようになりました。
キスンラは、医療機関での点滴投与が必要な薬剤です。定期的に通院し、医師の管理下で治療を行います。投与前には、アミロイドβの蓄積があることを確認する検査(PET検査や脳脊髄液検査など)が必須となります。
また、治療中はMRI検査を定期的に行い、副作用の有無を慎重に確認します。治療は長期にわたる可能性があり、患者本人だけでなく、家族の理解と協力も重要になります。
キスンラで特に注意が必要なのが、ARIA(アミロイド関連画像異常)と呼ばれる副作用です。これは脳のむくみや微小出血として画像上に現れることがあり、多くは無症状ですが、頭痛や意識障害を伴うこともあります。
そのため、治療中は定期的なMRI検査が欠かせません。その他、点滴に伴う反応や軽度の全身症状が報告されていますが、適切な管理のもとで使用することで、安全性は一定程度確保されています。
キスンラは、軽度認知障害(MCI)または軽度アルツハイマー病で、脳内にアミロイドβの蓄積が確認された患者が対象となります。中等度以上に進行した認知症では、十分な効果が期待できないため適応外となります。
また、定期通院や検査を継続できること、治療の目的や限界を理解したうえで同意できることが重要です。すべての認知症患者に適する薬ではなく、慎重な適応判断が求められます。
キスンラは、アルツハイマー病の原因に直接働きかける、日本でも保険適用となった新しい治療薬です。従来の対症療法とは異なり、病気の進行を抑えることを目的とした治療であり、アルツハイマー病治療に新たな選択肢をもたらしました。
一方で、効果には限界があり、副作用管理や適応判断が重要な薬でもあります。早期診断と専門的な評価のもとで、患者一人ひとりに適した治療を選択することが、今後のアルツハイマー病診療においてますます重要になるでしょう。
監修 医師:今野正裕
新宿、西新宿の内科、発熱外来、脳神経内科、は西新宿今野クリニックへ。予約はこちら。