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頭痛がひどいけど、これって片頭痛?片頭痛の治療薬って市販の薬で良い?

片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような頭痛が特徴で、日常生活に大きな支障を与えることがあります。光や音に敏感になったり、吐き気や嘔吐を伴うこともあり、単なる頭痛とは異なる症状として注意が必要です。発症の仕組みや誘因はまだ完全には解明されていませんが、血管や神経の働き、ホルモンの変化、ストレスや睡眠不足、食生活などが関与していると考えられています。片頭痛は放置すると生活の質を低下させるため、症状の特徴を理解し、適切な予防や治療法を知ることが重要です。このブログでは、片頭痛の原因や症状、薬物治療や日常生活での対策についてわかりやすく解説します。

目次

片頭痛の症状

片頭痛は、主に片側性のズキンズキンと脈打つような頭痛を特徴とする神経疾患で、頭痛だけでなくさまざまな前兆や随伴症状を伴います。頭痛は通常、数時間から72時間程度持続し、日常生活に支障を与えることが多いです。強い痛みは安静にしても軽減しにくく、身体活動や光、音、匂いなどで悪化することがあります。

片頭痛には前兆が現れる場合があります。視覚症状として、光がちらつく、ジグザグ模様や視野欠損が現れることがあり、感覚症状として手や顔のしびれ、言語障害やめまいを伴うこともあります。これらは通常、頭痛発作の前に数分から1時間程度続きます。前兆の有無は患者により異なり、オーラなしで発症することも多くあります。

頭痛に伴う症状としては、悪心・嘔吐や光・音・匂いへの過敏がよくみられます。これらの症状は生活の質を大きく低下させ、外出や仕事、学業への影響が出ることもあります。また、疲労感、倦怠感、集中力低下、イライラや抑うつ気分などの精神的症状を伴うこともあります。

片頭痛の誘因としては、ストレス、睡眠不足、ホルモン変動、食事やアルコール、気象変化などが知られており、個人差があります。これらの誘因を把握し、予防的に対策することで発作の頻度や重症度を軽減できる場合があります。

片頭痛は慢性化すると生活の質を著しく低下させるため、症状の特徴を正しく理解し、適切な薬物治療や生活習慣の調整を行うことが重要です。医師の診断のもとで早期に対策を講じることで、発作の回避や重症化防止につなげることができます。

片頭痛の原因

片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、神経血管説が中心に考えられています。脳の三叉神経や血管が過敏になり、炎症性物質が放出されることで血管が拡張し、神経が刺激されてズキンズキンとした頭痛や悪心、光過敏などの症状が起こるとされています。また、遺伝的要因も関与しており、家族に片頭痛を持つ人がいる場合、発症リスクが高くなることが知られています。

さらに、ホルモンの変動も重要な誘因です。特に女性では生理周期に伴うエストロゲンの変化が発作のきっかけになることがあります。また、生活習慣や環境要因も発作の誘因となり得ます。睡眠不足、過労、ストレス、気圧の変化、特定の食品(チョコレート、チーズ、アルコールなど)やカフェインの摂取などが、発作を誘発することがあります。

このように、片頭痛は神経・血管の過敏性、遺伝、ホルモン、生活環境が複雑に影響し合うことで発症する多因子性の疾患です。原因や誘因を理解することで、予防や適切な治療に役立てることができます。

片頭痛発作の誘因

片頭痛発作は、様々な因によって引き起こされることがあります。まず代表的なのはストレスや精神的緊張で、仕事や家庭でのプレッシャーが強まると発作が起こりやすくなります。また、睡眠不足や過眠も片頭痛の誘因であり、規則正しい睡眠習慣が重要です。

ホルモンの変動も女性の片頭痛に大きく関わり、生理周期に伴うエストロゲンの変化が発作を誘発することがあります。さらに、気象変化や気圧の低下、強い光や騒音などの環境要因も発作のきっかけとなる場合があります。

食事も重要な誘因で、チョコレート、チーズ、アルコール、カフェイン、加工食品などが片頭痛を誘発することがあります。過度な空腹や水分不足もリスクを高めます。

このように、片頭痛発作は生活習慣、環境、ホルモン、食事など多くの要因が関係しており、個人ごとに誘因は異なります。発作のパターンや誘因を把握することで、予防策や生活改善につなげることが可能です。

発作時治療薬

片頭痛が発生した際に、痛みを軽減または止めるために使われる薬です。できるだけ早く服用することが効果的です。

トリプタン系薬

トリプタン系薬は、片頭痛の発作時に使用される選択的セロトニン(5-HT1B/1D)受容体作動薬で、血管拡張や神経の炎症を抑えることで、ズキンズキンとした頭痛や悪心、光過敏などの症状を迅速に軽減します。片頭痛発作が起きたときに服用する「発作時治療薬」として位置づけられ、早期に使用するほど効果が高いとされています。

トリプタン系薬は複数の種類があり、代表的なものとしてスマトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フルナリプタンなどがあります。薬剤ごとに作用の持続時間や速効性が異なるため、症状の強さや発作の持続時間に応じて選択されます。例えば、スマトリプタンは即効性が高く、ナラトリプタンは持続時間が長めで再発予防に向くとされます。

服用方法は、経口薬が一般的ですが、注射薬や点鼻薬もあり、吐き気や嘔吐が強い場合には経口以外の投与が有効です。副作用としては、胸部圧迫感、動悸、倦怠感、めまいなどがあり、心血管疾患の既往がある場合は使用に注意が必要です。

トリプタン系薬は、片頭痛の症状を根本的に抑えるわけではありませんが、発作時の症状緩和に非常に有効であり、日常生活への影響を最小限に抑えるために重要な治療薬です。医師の指導のもと、発作のタイミングや服用量を守ることが大切です。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

片頭痛の発作時には、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)も有効です。NSAIDsは炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑えることで、頭痛や悪心、光過敏などの症状を軽減します。市販薬としても利用されるイブプロフェンやアスピリン、ナプロキセンなどが代表的で、軽~中等度の片頭痛発作に効果的です。NSAIDsは即効性があり、発作の早期に服用することで症状の進行を防ぎやすくなります。ただし、胃腸障害や腎機能への影響、出血傾向のある人では注意が必要です。片頭痛治療では、トリプタン系薬との併用や、発作の重症度に応じた使い分けが行われます。

エルゴタミン製剤

エルゴタミン製剤は、片頭痛の発作時に用いられる薬で、血管を収縮させる作用により頭痛を緩和します。セロトニン受容体に作用して脳血管の拡張を抑え、ズキンズキンとした痛みや悪心、光過敏などの症状を軽減します。経口薬や坐剤、舌下投与の製剤があり、発作が起きた際に速やかに使用することが推奨されます。ただし、血管収縮作用が強いため、心疾患や高血圧、末梢血管障害のある人では使用に注意が必要です。また、乱用すると薬剤乱用頭痛を引き起こすリスクがあるため、服用回数や用量を守ることが重要です。医師の指導の下で適切に使用することで、片頭痛発作の症状緩和に効果的な治療薬です。

予防薬

片頭痛の発作が頻繁に起こる場合や、発作が重症である場合に使用されます。発作の回数や重症度を減少させるために、毎日服用するタイプの薬です。

β遮断薬(ベータブロッカー)

β遮断薬(ベータブロッカー)は、片頭痛の予防薬として用いられる薬で、発作そのものを抑える効果があります。元々は高血圧や心疾患の治療に使われる薬ですが、片頭痛に対しても血管の過剰な拡張や神経の過敏性を抑えることで、発作の頻度や強さを軽減します。特に、緊張型頭痛や片頭痛がストレスや血圧変動に関連している場合に有効です。

代表的な薬剤には、プロプラノロール、カルテオロール、アテノロール、ビソプロロールなどがあります。薬剤ごとに作用時間や心臓への影響が異なるため、患者の体質や併存疾患に応じて選択されます。予防目的で使用するため、発作がない時でも毎日継続的に服用する必要があります。

副作用としては、徐脈や血圧低下、倦怠感、冷え、眠気などが報告されます。また、喘息や慢性閉塞性肺疾患のある人では気道収縮を引き起こすリスクがあるため、使用に注意が必要です。β遮断薬は、片頭痛発作の予防において長期的な生活の質改善に寄与する重要な薬剤であり、医師の指導の下で適切な用量と服用スケジュールを守ることが重要です。

抗てんかん薬

抗てんかん薬は、片頭痛の予防薬としても用いられる薬で、神経の過剰な興奮を抑える作用があります。片頭痛発作は脳の神経回路の過敏性や電気的活動の異常が関与するとされ、抗てんかん薬はこの神経過敏を安定化させることで、発作の頻度や強さを軽減します。

代表的な薬剤にはバルプロ酸ナトリウム、トピラマート、カルバマゼピンなどがあります。バルプロ酸は特に女性の片頭痛予防に有効で、発作の回数や重症度を減らす効果が報告されています。トピラマートも予防効果が高く、生活の質の改善に寄与します。これらの薬剤は即効性はなく、効果を得るためには数週間から数か月の継続使用が必要です。

副作用としては、倦怠感、めまい、吐き気、体重変動、肝機能障害などがあり、特に妊娠中や妊娠を希望する女性では使用に注意が必要です。また、併存疾患や他の薬との相互作用も考慮する必要があります。抗てんかん薬は、片頭痛発作の予防において重要な選択肢であり、医師の指導のもと、個々の症状や体質に合わせて使用することが推奨されます。

抗うつ薬

抗うつ薬は、片頭痛の予防薬としても用いられる薬で、特に神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの働きを調整することで、発作の頻度や強さを軽減します。三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)は、片頭痛予防に効果があり、睡眠の改善や不安の緩和といった付随的なメリットも期待できます。服用は発作のない期間に継続的に行う必要があり、即効性はありません。副作用としては、口渇、便秘、眠気、体重増加などが報告されており、特に高齢者や心疾患のある人では注意が必要です。抗うつ薬は、ストレスや心理的要因が関与する片頭痛に対して有効な予防選択肢として、医師の指導の下で適切に使用されます。

CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)阻害薬

CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)阻害薬は、片頭痛の発作予防に用いられる新しい治療薬です。片頭痛発作時には、CGRPという神経ペプチドが放出され、脳血管の拡張や炎症反応を引き起こすことで頭痛や悪心、光過敏などの症状が現れると考えられています。CGRP阻害薬は、このペプチドの作用を抑制することで、発作の頻度や重症度を軽減します。

薬剤にはモノクローナル抗体製剤が中心で、エレヌマブ(アイモビッグ)、フレマネズマブ(アジョビ)などが代表例です。これらは注射剤で、皮下投与や筋注で月1回または隔月で投与されることが多く、発作予防に長期的に使用されます。従来のβ遮断薬や抗てんかん薬、三環系抗うつ薬などで効果が不十分な中~重症片頭痛患者に適応されます。

副作用は比較的少なく、注射部位反応、便秘、軽い倦怠感などが報告されていますが、重篤な副作用は稀です。CGRP阻害薬は即効性よりも発作の予防や生活の質改善を目的とする薬であり、医師の診断と管理のもとで適切に使用することが重要です。

片頭痛治療のポイント

ChatGPT:

片頭痛治療薬を選択する際のポイントは、発作時の対応薬と予防薬に分けて考えることが重要です。まず発作時治療では、症状の強さや持続時間に応じて薬剤を選びます。軽~中等度の発作にはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択となり、イブプロフェンやナプロキセンなどで痛みや悪心を抑えます。中~重度の発作やNSAIDsで効果が不十分な場合は、トリプタン系薬(スマトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタンなど)が有効です。トリプタン系は血管収縮作用と神経興奮抑制作用により、速やかに症状を軽減します。エルゴタミン製剤も選択肢の一つですが、心血管疾患のリスクがあるため慎重に使用されます。

一方、予防薬は発作の頻度や重症度が高い場合に検討します。β遮断薬(プロプラノロール、アテノロールなど)は血管過敏やストレス関連の片頭痛に有効で、抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマート)は神経過敏性を抑え、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン)は睡眠改善や精神症状の緩和にも寄与します。近年はCGRP阻害薬(エレヌマブ、ガルカネズマブなど)が登場し、中~重症片頭痛患者で既存薬が不十分な場合に有効です。

選択の際には、発作の頻度、強さ、誘因、既往歴や併存疾患、副作用のリスク、生活への影響を総合的に考慮することが重要です。また、薬物療法だけでなく、生活習慣改善や誘因回避も併せて行うことで、より効果的に片頭痛の管理が可能となります。

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