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瞼のぴくつきが気になる!病気?あまり聞かない眼瞼ミオキミアについて。

まぶたがピクピクと勝手に動く「眼瞼ミオキミア」は、多くの人が経験する軽度の症状ですが、繰り返すと不安に感じることもあります。眼瞼ミオキミアは、まぶたの筋肉が自分の意志とは関係なく小刻みに収縮する現象で、一般的には片目の上まぶたや下まぶたに起こることが多いです。原因はストレスや疲労、睡眠不足、カフェインの過剰摂取などが関与しており、通常は一時的で健康に大きな影響はありません。しかし、長期間続く場合や両目に症状が出る場合、他の神経疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。本記事では、眼瞼ミオキミアの症状の特徴や原因、日常生活でできる対処法についてわかりやすく解説します。

目次

瞼のぴくつきの原因で最多、眼瞼ミオキミアとは?

眼瞼ミオキミア、つまりまぶたのピクつきの原因はさまざまですが、主に疲労やストレス、睡眠不足が関与しています。長時間のパソコン作業やスマートフォン使用で目を酷使すると、まぶたの筋肉や神経が過敏になり、勝手に収縮してピクピクと動くことがあります。また、カフェインやアルコールの過剰摂取も神経を刺激し、症状を引き起こす要因となります。

まれに、ビタミンやミネラルの不足、特にマグネシウム不足が筋肉の収縮異常を招くことがあります。さらに、薬の副作用や眼瞼痙攣などの神経疾患が原因となる場合もありますが、通常の眼瞼ミオキミアは一時的で軽症です。症状が短期間で軽度の場合は、十分な休息と睡眠、ストレス管理、カフェイン摂取の制限で改善することが多いです。ただし、症状が長引いたり、片目だけでなく両目に広がる場合、まぶたの閉じにくさや視覚障害を伴う場合は、眼科や神経内科での受診が推奨されます。

眼瞼ミオキミアのように正常なぴくつきもあります。前回のコラムで紹介した、BFS(benign fasciculation syndrome)も、同様に正常なぴくつきです。つまり、眼瞼ミオキミアは正常な身体症状なので、特に治療は必要がありません。なので特に治療は必要ありません。

眼瞼ミオキミアの類似疾患、眼瞼痙攣とは?

眼瞼痙攣とは、まぶたの筋肉が自分の意志とは関係なく異常に収縮する神経疾患の一つです。通常はまぶたを開閉する眼輪筋が過剰に働き、まぶたのけいれんや不随意な閉瞼が繰り返し起こります。初期は片目のまぶたに軽いピクつきや瞬きの増加として現れることが多いですが、進行すると両目に広がり、日常生活に支障をきたすことがあります。

眼瞼痙攣の原因は明確には解明されていませんが、脳の基底核や顔面神経の異常な信号伝達が関与していると考えられています。遺伝的要素や環境的要因、ストレス、疲労が発症に影響する場合もあります。症状としては、瞬きが増える、まぶたが開けにくくなる、光に敏感になるなどがあり、重症化すると日常生活や運転などにも支障を及ぼすことがあります。

診断は、主に症状の観察と神経学的評価によって行われ、必要に応じて脳の画像検査などで他の疾患との鑑別も行います。治療は、軽症の場合は生活習慣の改善やストレス管理が中心ですが、症状が強い場合は**ボツリヌス毒素注射(ボトックス)**が有効で、眼輪筋の過剰収縮を抑えて症状を改善します。薬物療法やリハビリ、サポート器具の併用も行われることがあります。

眼瞼痙攣は命に関わる病気ではありませんが、視覚や生活の質に大きな影響を与えるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

注意すべき瞼のぴくつきとは

眼瞼のピクつき(眼瞼ミオキミア)は、多くの場合一時的で軽症ですが、注意が必要なケースも存在します。通常の眼瞼ミオキミアは片目に起こり、短期間で自然に改善することが多く、原因も疲労、ストレス、睡眠不足、カフェインの過剰摂取など比較的日常的な要因に限られます。しかし、以下のような症状がみられる場合は、より深刻な病気のサインである可能性があり、医療機関の受診が推奨されます。

まず、ピクつきが片目だけでなく両目に広がる場合や、まぶたが完全に閉じにくくなる、目の開閉に支障が出る場合は、眼瞼痙攣や顔面神経の障害、パーキンソン病などの神経疾患が疑われます。また、ピクつきが長期間続く、頻度や強さが増す場合も注意が必要です。通常の一過性のピクつきは数日〜数週間で改善しますが、数週間以上続く場合は神経系の異常の可能性があります。

さらに、眼瞼のピクつきに加えて、顔の一部や口、顎の筋肉にもけいれんが起こる場合は、全身性の神経疾患や薬の副作用の可能性も考慮しなければなりません。頭痛、視力障害、手足のしびれや筋力低下など他の神経症状を伴う場合も、早めの受診が重要です。

日常生活での注意点としては、過度の疲労やストレス、睡眠不足、カフェインの取りすぎを避けることが基本です。また、目の酷使を避け、適度な休憩を取り入れることも有効です。しかし、症状が強い場合や長引く場合は自己判断せず、眼科または神経内科での評価を受けることが、健康被害を防ぐために非常に重要です。

監修 医師:今野正裕

新宿、西新宿の内科、発熱外来、脳神経内科、整形外科は西新宿今野クリニックへ。予約はこちら

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