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話題の韓国のダイエット注射、スリムルとは?

スルリム注射(슬림/Sururimu 注射、スリム注射に類似)」というものについて、今回は記事を書きます。

  1. 概要・起源
  2. 施術の仕組み・理論
  3. 利点・期待効果
  4. リスク・懸念点
  5. 実際の適用・注意すべきポイント
  6. 総評・私見

1. 概要・起源

「スルリム(슬림/Sururimu/スルリム式)」という名称は、韓国語で「スリムにする」「細くなる」をイメージさせる語感をもたせた名称です。SNSや美容クリニックで「スルリム注射」「スルリム式脂肪破壊注射」として紹介されることが増えています。日本では美容クリニックや美容外科がこの施術を「脂肪破壊 スルリム注射」として自由診療で導入しており、宣伝文句として「部分痩せ」「リバウンドしにくい」などがしばしば使われています。 ただし、国内においてこの種の注射が承認された医薬品として正式に認可されているわけではなく、未承認薬剤を輸入して使用しているクリニックがある旨明言しているケースもあります。ジュノビューティークリニックのサイトでは、「使用薬剤は未承認医薬品」「MEDICTUS社を通じて個人輸入している」などの記載があります。


2. 施術の仕組み・理論

スルリム注射は、主に「脂肪細胞を破壊(脂肪溶解)して数を減らす」ことを目的とする注射型痩身法に分類されます。その理論的枠組みは、他の脂肪溶解注射と共通する部分があります。以下がその理論・機構です。

脂肪細胞膜・細胞構造への作用
 スルリム注射では、ある種の薬剤を脂肪層に注入して、脂肪細胞の膜にダメージを与え、細胞を破壊(脂肪細胞としての機能喪失)させることを狙います。破壊された脂肪は体内で処理され、汗・尿・代謝経路を通じて体外へ排出されると説明されます。

成分例:デオキシコール酸(deoxycholic acid, DAC)
 スルリム注射に使用される薬剤として、脂肪溶解効果が比較的よく知られた成分・デオキシコール酸(DAC)が使われているという記述があります。たとえば、脂肪破壊 スルリム注射の説明には、「従来の脂肪溶解注射より高濃度で配合」などの記載があります。 ただし、「高濃度で配合」としている一方で、具体的な濃度・安全域などは公表されているケースは少ないようです.

部分痩せ可能性
 スルリム注射は、「お腹・二の腕・太もも・顎下」など、特定の部位だけ脂肪を減らしたい人向けに宣伝されることが多いです。運動・食事制限では難しいとされる“局所的な脂肪”を標的にするという販売文句がよく見られます。

リバウンドしにくさの主張
 破壊された脂肪細胞は再生しないため、リバウンドしにくいとされる主張があります。これは、脂肪細胞数を減らす方向を取る脂肪溶解系施術の典型的なセールスポイントです。

要するに、スルリム注射は既存の脂肪溶解注射技術を名前を変えたり、配合強化・見せ方を変えたりして“次世代”風に見せたもの、という評価も散見されます。


3. 利点・期待効果

プロモーション的・体験談ベースで言われている利点・効果は以下の通りです:

利点・期待内容
部分痩せの実現気になる部位(お腹、二の腕、顎下など)を狙って脂肪を減らすことが可能。
リバウンド抑制破壊された脂肪細胞は再生しないため、体重増加しても効果が持続しやすい。
手軽さ・短時間施術手術に比べて負担が少なく、注射中心で済む点をアピールしており、施術時間が短いという事例もあります。
通院回数が少なくても効果体感宣伝上、「1回でも効果を実感した」「数回で変化を感じた」などの口コミが出ています。
外科的侵襲の回避脂肪吸引などの手術よりもダウンタイム・傷を残すリスクが小さいという見せ方。

ただしこれらはあくまで、科学的エビデンスが確固としてあるものとは言えません。


4. リスク・懸念点

こうした施術には、以下のようなリスク・限界・注意点があります。

リスク・懸念説明
副作用(腫れ・内出血・痛み)注入部位に腫れ・赤み・内出血が起きる報告があります。痛みが強かったという体験談もあります。
不均一な脂肪除去(凸凹リスク)部分的に脂肪を壊すため、均一に作用しないと凹凸ができる可能性があります。
成分安全性/未承認薬剤の使用日本国内で承認されていない成分を使っている場合、薬事安全性・副作用対応・救済制度適用外になる可能性があります。
効果の個人差脂肪量・体質・代謝・血流などによって効果は大きく変わる。1回程度では効果を感じにくいことが多いとの記述あり。
長期安全性未確立長期的な追跡研究データが不十分で、長期間後の影響が明確でない可能性あり。
広告過剰表現・誤解誘導広告上「1回でこれだけ瘦せた」など過剰な期待を抱かせる表現が見られるという批判もあります。
倫理・規制リスク美容医療広告ガイドラインに抵触する表現や、誇張表現による問題が出やすい。

特に注意すべきは、未承認薬剤使用時のリスク・施術者の技術力・過剰な期待を持たせる広告などです。

たとえば、スルリム注射を導入している一院では、使用薬剤が未承認医薬品であることを明記しており、リスク面の免責も掲示しています。 また、ある美容外科のコラムでは、スルリム注射が広告的にバズっているだけで、本質的には「従来の脂肪溶解注射を別名で呼んでいる」だけ、との指摘が散見されます。


5. 実際の適用・注意すべきポイント

適用部位:あご下・フェイスライン・お腹・二の腕・太もも・背中などが多い。

通院回数:1回では変化がわかりにくいという見解が複数あり、複数回(2〜5回程度)を推奨されている。

費用対効果の評価慎重:注入量・範囲が広い部位は費用がかさむ面もあります。韓国の脂肪溶解注射と比較する記載の中で、範囲が広い部位ほど費用が高くなるとの情報があります。

クリニックの信頼性・情報開示:成分・濃度・安全性・過去症例・副作用対応などをきちんと説明してくれるクリニックを選ぶべきです。

施術後ケア:注入後のマッサージや圧迫、適切な間隔(クリニックによっては注射間隔・休息期間を設ける)などが指示されることが多いです。


6. 総評・私見/クリニック目線での視点

スルリム注射は、「名前・見せ方・マーケティング力」によって話題化されている脂肪溶解注射のバリエーション、または強化版と見るのが妥当な評価だと思います。従来の脂肪溶解注射技術をベースに、配合強化・ネーミング工夫・広告戦略を組み込んだもの、という印象です。

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