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破傷風

破傷風について

破傷風ワクチンについて ― 小さなケガから命を守るために

破傷風は、現在ではあまり耳にしない病気かもしれません。しかし、適切な予防接種を受けていないと、今でも命に関わる感染症です。破傷風ワクチンは、日常のケガや災害時など、思いがけない場面から私たちを守るために重要な役割を果たしています。


破傷風とはどんな病気か

破傷風は、破傷風菌という細菌が原因で起こる感染症です。この菌は土やほこりの中に広く存在しており、さびた釘やガラス、農作業中のケガなど、皮膚の小さな傷口から体内に侵入します。感染すると、菌が作り出す毒素によって神経が侵され、口が開きにくくなる(開口障害)、首や背中の筋肉が硬くなる、全身のけいれんが起こるといった症状が現れます。重症化すると呼吸が困難になり、集中治療が必要になることもあります。破傷風は、人から人へうつる病気ではありませんが、発症すると治療が難しく、死亡率も高いことが特徴です。


なぜワクチンが必要なのか

破傷風は、一度かかっても免疫がつかないという特徴があります。そのため、予防にはワクチン接種が不可欠です。日本では、乳幼児期に定期接種として破傷風を含むワクチン(四種混合など)を接種しています。しかし、破傷風ワクチンの免疫は時間とともに弱まるため、大人になってから追加接種をしていない場合、十分な免疫が保たれていないことがあります。特に、最後の接種から10年以上経っている方は注意が必要です。


どのような場面で接種が勧められるか

破傷風ワクチンは、次のような方に勧められます。

  • ケガをした際に、破傷風ワクチン接種歴が不明または古い場合
  • 土や泥で汚れた傷、深い刺し傷を負った場合
  • 農作業や屋外作業が多い方
  • 災害時や海外渡航前

医療機関では、ケガの状況や接種歴を確認し、予防目的または緊急予防としてワクチン接種を行うことがあります。


ワクチンの種類と接種方法

破傷風予防には、破傷風トキソイド単独、またはジフテリア・破傷風混合(DT)ワクチンなどが使用されます。通常は、数回の接種で免疫をつけ、その後は10年ごとの追加接種が推奨されます。ケガをした直後で免疫が不十分と考えられる場合には、ワクチンに加えて、破傷風免疫グロブリンを併用することもあります。


副反応について

接種後には、注射部位の腫れや痛み、赤みなどの局所反応がみられることがあります。まれに発熱やだるさが出ることもありますが、多くは数日以内に改善します。重い副反応は非常にまれです。


まとめ

破傷風は、身近なケガをきっかけに突然発症することがある、予防が何より重要な感染症です。子どもの頃に予防接種を受けていても、大人になってから免疫が低下している場合があります。「最後にいつ破傷風ワクチンを打ったか分からない」「ケガをしたけれど大丈夫か不安」という方は、早めに医療機関へ相談しましょう。破傷風ワクチンは、万が一に備えるための大切な備えです。