ワクチン

コロナワクチン

2023年11月7日現在、コロナワクチンは7回目となりました。1〜6回目のコロナワクチンにより、コロナ感染により重症化例はかなり減りました。しかし既往歴に慢性の心臓、肝臓、腎臓、肺疾患や糖尿病がある、BMI30以上の肥満など重症化リスクの高い方は、コロナ感染による重症化予防のため継続した接種が必要と考えます。

当院で提供するコロナワクチンは、ファイザーXBBです。

インフルエンザ

インフルエンザは毎年のように話題となる感染症です。
平均3日間の潜伏期間の後に、発熱、鼻閉、鼻汁、咳、痰、頭痛などの全身症状を認めます。健康な成人でも辛い症状なので、乳幼児や高齢者などがかかると重症化する可能性があります。また肥満者、妊娠している方、糖尿病や悪性腫瘍などの病気をお持ちの方は、重症化リスクが高くなります。
またこれらの方は細菌性肺炎、脳炎、脳症などの合併症を起こす可能性も高いです。

このようにインフルエンザウイルス感染症は時には恐ろしい結末をもたらす可能性があるので、予防は必須です。冬に入る前にインフルエンザワクチン接種、そして帰宅後の手洗いうがいは必須です。

インフルエンザの治療薬は、色々あります。

  • タミフル(1日2回、5日間。剤形はカプセルです。)
  • ゾフルーザ(成人及び12歳以上は1回2錠、80kg以上は1回4錠を単回投与。剤形は錠剤です。)
  • イナビル(ネブライザーで単回吸入。剤形は吸入粉末剤です。)
  • リレンザ(1日2回吸入、5日間)
  • ラピアクタ(点滴の薬で単回投与です。)

このように剤形も投薬期間も豊富にあります。
またタミフル、イナビル、リレンザはインフルエンザの予防役としても適応が通っています。
まず主治医としっかり相談して、薬を決めるようにしましょう。

MR(麻疹・風疹)

MRワクチンは定期接種の対象です。1回目は1〜2歳の間、2回目は5〜7歳未満の年齢で摂取します。しかし成人でも任意で接種を受けることができます。具体的には、血液検査で麻疹と風疹の抗体価が基準値より低い方が接種されることが多いです。

成人の麻疹、風疹感染は増加傾向にあるので注意が必要です。

特に妊娠中の方が風疹に感染すると、胎児が先天性風疹症候群という疾患を患う可能性が高くなります。先天性風疹症候群に罹患した胎児は、白内障、難聴、心疾患、精神発達遅滞など重篤な状態になりうります。

このようなことにならないよう、成人も麻疹風疹の抗体検査をすることをおすすめします。

肺炎球菌

肺炎球菌とは主に、肺炎の原因となる細菌です。
特に高齢者はこの肺炎球菌が原因による肺炎になりやすく、重症化する可能性があります。
肺炎球菌は肺炎だけでなく、気管支炎、敗血症、髄膜炎などの原因にもなり、恐ろしい細菌と言えます。

肺炎球菌ワクチンは2種類あります。
ニューモバックス(23価ワクチン)、プレベナー(13価ワクチン)です。
ニューモバックスは、効果は5年間のみなので、5年に1回接種する必要があります。初回の接種は公費ですが、以降は自己負担となります。プレベナーは、1回打てば効果は生涯続きます。しかし接種費用は自己負担となります。

破傷風

破傷風菌は土壌など自然界に広く存在します。
外傷などを負い破傷風菌が組織に入ると、人体で増殖し症状が出ます。
症状は口が開かない、顔面けいれん、症状が進行すると手足の麻痺を認めます。

破傷風ワクチンは、生後3ヶ月〜12ヶ月、11〜13歳の間の2回に分けて定期予防接種が行われます。それ以降は、5〜10年に1度の任意接種が必要です。しかし1968〜1981年に生まれた人はワクチンの定期接種をしておらず、破傷風に対する免疫を持っていない可能性があります。またこれ以外にも、ケガをして傷が一定の深さの場合は、破傷風ワクチンもしくは抗破傷風ヒト免疫グロブリンを投与します。

帯状疱疹

帯状疱疹は水痘ウイルスが原因で発症します。

小児期に水痘(水ぼうそう)にかかると、水痘ウイルスが脊髄に潜伏します。何かがきっかけで水痘ウイルスが再活性化すると、帯状疱疹となります。

2016年から幼児の定期接種で使用されている水痘ワクチンが、50歳以上でも使用出来るようになりました。80歳までに1/3の人が帯状疱疹になると言われており、積極的に予防すべき病気です。

現在は帯状疱疹ワクチンは、1回接種ワクチンのビケン®、2回接種ワクチンのシングリックス®の2つです。

B型肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝硬変や肝細胞癌のリスク因子です。HBVの感染経路は主に、医療の現場での針刺し事故、HBVに感染している母親から生まれる子供の母子感染、HBV感染者との性交渉です。

2016年からHBVワクチンは定期接種となりました。それ以前はHBVワクチンの接種を推奨されていたものの任意接種でした。なのでHBVワクチンに対する抗体(HBs抗体)を持っていない人は、世の中に結構いるのです。血液検査でHBs抗体を測定して、低値だった方はHBVワクチン接種を推奨します。

血液検査でHBs抗体が低い方は、HBVワクチン接種の対象です。3回の接種を行います。1回目接種後、1か月後に2回目の接種、2回目の接種から6カ月後に3回目の接種を行います。

HPVワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頚癌、尖圭コンジローマの原因となるウイルスです、HPVワクチンはこれを予防します。2013年にはHPVワクチン接種後の慢性疼痛が増加したため積極的な接種の差し控えとまりましたが、それをしたのは世界で日本のみだったそうです。2016年、ようやく日本で有害事象を上回るHPVワクチンの有効性が認められました。


現在、サーバリックス(2価)とガーダシル(4価)が小学6年生〜高校1年生の女子対象に定期接種が認められています。サーバリックスは初回、初回から1ヶ月後、初回から半年後の合計3回打ちます。ガーダシルは初回、初回から2ヶ月後、初回から半年後の合計3回打ちます。

HPVは150種類程度あり、4価のガーダシルは16、18、6、11型の4種類を、2価のサーバリックスは16、18型の2種類に効果があります。一見ガーダシルの方が有効性が高そうに見えますが、子宮頚癌を引き起こすHPVの90%以上は16、18型なこと、サーバリックスはHPVウイルスに対する抗体が上がりやすいという報告もあり、一概に言えません。

クリニック案内

西新宿今野クリニック

西新宿駅から徒歩3分

医療機関名
西新宿今野クリニック
住 所
〒160-0023
東京都新宿区西新宿7-21-7

診療科目

整形外科、脳神経内科(神経内科)、内科、リハビリテーション科

電話番号
03-3371-5813