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初診の方とリハビリの方は、診療終了30分前までの受付となります。
【休診日】日祝、水曜午後、土曜午後 ※第2第4土曜
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今回は、筋肉のぴくつきについて書いていきます。
顔面や手足がぴくぴく動いた経験、ある方が多いと思います。
大体は時間が経てば、治ることが多いです。実は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)も、全身の筋肉のぴくつきを認めます。
つまり、危険な筋肉のぴくつきもあるということです。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、運動神経細胞(運動ニューロン)の障害により、全身の筋肉が萎縮し力が入らなくなる原因不明の難病です。ALSでは筋肉そのものに異常があるわけではなく、筋肉に指令を送る神経が障害されます。初めは歩きづらさや手の動かしづらさを感じる他、疲れやすいなどの症状が現れます。個人差はありますが、ALSは数ヶ月から数年かけて進行し、全身の筋萎縮が起きると目でコミュニケーションを行う機器の導入、呼吸筋が傷害されると人工呼吸器の導入が必要です。
診断には針心電図や筋超音波検査、X線やMRI・CTなどが有用です。必要に応じて骨髄検査や髄液検査を行い、末梢神経障害や筋障害など、他の神経疾患と区別します。ALSは原因不明な病気のため明確な治療法はありませんが、病気の進行を遅らせるために、リルゾールやエダラボンなどの治療薬が用いられます。その他、症状をやわらげる対症療法としてリハビリテーションを行うことも重要です。
つまり、ALS以外でもぴくつきを認める病気は、結構多いということです。では、ぴくつき=異常なのでしょうか?
眼瞼ミオキミアとは、瞼が自分の意思とは関係なくピクピクと細かくけいれんする状態を指します。医学的には「良性眼瞼ミオキミア(benign eyelid myokymia)」と呼ばれ、多くは一時的で自然におさまる良性の現象です。
しかし瞼のぴくつきと共に、目を開くことが出来なくなったら、注意が必要です。眼瞼ミオキミアの類似疾患である、眼瞼痙攣の可能性があります。眼瞼痙攣は自然治癒が難しく、薬物投与が必要となるため、早めに脳神経内科、脳神経外科、もしくは眼科を受診することを推奨します。
では手足のぴくつきで、良性のものはあるのでしょうか?
BFS(Benign Fasciculation Syndrome:良性筋線維束攣縮症候群)とは、筋肉のぴくつき(筋線維束攣縮:fasciculation)を主症状とするが、筋力低下や萎縮などの神経変性疾患が見られない良性の神経症候群です。ALSなどの重篤な神経疾患と区別されるべき重要な疾患概念です。
項目 | 内容 |
---|---|
主症状 | 筋肉のぴくつき(特にふくらはぎ・足・腕・まぶたなど) |
その他の症状 | 過敏性(筋肉のつっぱり感、不快感)、不安、疲れやすさなど |
筋力 | 正常(脱力や筋萎縮はなし) |
神経所見 | 基本的に異常なし |
検査 | 血液検査・神経伝導検査・筋電図などで異常を認めない |
経過 | 慢性で良性。数ヶ月〜数年持続することもあるが進行はしない |
はっきりとした原因はわかっていません。しかし、ストレスや不安(特にALSを心配する人に多い)、カフェイン・アルコールの摂取過多、睡眠不足、運動のしすぎ及びしなさすぎなどが、BFSの原因ではないかと考えられています。
ではBFSとALSのぴくつきは、どのような違いがあるのか。
前者は1ヶ所の筋肉で起きる、規則的で早いぴくつき、筋力低下を伴わないことが特徴です。対して後者は、全身の多くの筋肉に起き、不規則で遅いぴくつきで、筋力低下を伴うことが多いです。
実際BFSがALSに発展したことは、過去の研究ではないとされています。Alexandra Filippakis DO, Jordan Jara BS et al. A prospective study of benign fasciculation syndrome and anxiety. Muscle Nerve. 2018 Dec;58(6):852-854.
下記ような症状を伴うときは、脳神経内科の受診をおすすめします。
ALSを疑った場合は、脳神経内科の受診が適切です。
ALSを診断するには、他の類似疾患を除外しなくてはいけません。人間は、脳→脊髄→神経と刺激が伝わり、体を動かすことができます。このいずれかが障害されていると、体が動かない、麻痺を認めます。つまりALSの類似疾患とは、脳、脊髄、神経が障害される病気です。
ALSの診断で最初にすることは、病歴聴取と診察です。これらで、ALSかまたは他の病気か、見当をつけます。ALSの病歴の特徴は、「緩やかに麻痺が進行している」、「麻痺の範囲が時間と共に広がっている」「喋りにくさを感じる」です。ALSの診察の特徴は、「脳、脊髄、神経障害では説明がつかない麻痺の分布」、「上下肢の筋肉のぴくつき」、「腱反射亢進や病的反射(babinski反射など)」です。
次に、脳、脊髄、神経の病気の有無を調べる検査をします。脳と脊髄の病気を検査するには、MRIを施行します。神経の病気を検査するには、採血と神経伝導速度検査をします。神経伝導速度検査とはあまり馴染みがないかもしれませんが、体表から神経に電気を流して、そこから得られる波形を分析する検査です。病歴、診察、検査でALSが疑わしい場合、筋電図という検査をします。麻痺が強い筋肉に針を刺して、そこから得られる電気的活動を定量的に変換した波形を観察します。概ね1時間前後かかる検査です。
このようにALSの診断をするには、時間がかかります。
そしてALSという病気は、重い病気です。家族のサポートも必須となります。
そして今後の方針、具体的には呼吸がしにくくなったら人工呼吸器を、食事が出来なくなったら胃瘻を装着するかどうかも決める必要があります。なので病名の告知は、家族にも同席してもらい、最大限プライバシーに配慮して行わなくてはいけません。
当院の脳神経内科では、ALSの診療をしております。お気軽にご相談ください。
ご予約は、こちら。