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てんかんは、子どもの頃から続く病気とは限りません。高齢になってから初めて発症することもあります。全身のけいれんだけでなく、会話の途中で反応が途切れる、動作が止まる、その間の記憶が抜けるといった発作もあります。
「年齢のせい」「認知症だから」と決めつけず、いつ・どのような変化があったかを確認することが大切です。一方、似た症状は失神や低血糖などでも起こるため、症状だけでは診断できません。この記事では、高齢者のてんかんの特徴、検査・治療、家族の対応と車の運転について説明します。[1・2]
これらは通常の診療時間を待たず、119番へ連絡してください。呼吸や意識に異常があるときに、5分になるまで待つ必要はありません。片麻痺や言語障害を「発作の後だから」と自己判断しないでください。脳卒中などの緊急評価が必要です。[3・4]
初めての発作や、いつもと異なる発作も速やかな医療評価が必要です。治まっていても当日中に医療機関へ相談し、上記の症状がある場合は119番を優先してください。本人が車を運転して受診することは避けましょう。
てんかんは、脳の神経細胞の過剰な電気活動による発作を繰り返す傾向をもつ病気です。高齢での発症には、脳卒中の後遺変化、頭部外傷、脳腫瘍、アルツハイマー病などの神経変性疾患が関わる場合があります。ただし、年を取れば必ずてんかんになるわけではなく、検査をしても原因が明らかにならない場合もあります。原因不明を一律に「特発性てんかん」と言い換えることはできません。[1・2・5]
低血糖、電解質異常、急性期の脳卒中、薬剤などに伴う「急性症候性発作」は、原因となる状態の評価・治療が重要です。これらの発作と、持続的に発作を起こす傾向があるてんかんは区別します。
1回のけいれんだけで全員がてんかんと診断されるわけではありません。一方、再発リスクや検査所見などによっては、初回から診断・治療を検討する場合もあります。「必ず2回目を待つ」ということでもありません。[1・2]
脳の一部から始まる焦点発作では、次のような様子がみられることがあります。
本人には自覚や記憶がないこともあり、家族や介護者の気づきが手がかりになります。けいれんがなくても、意識や判断に影響する発作を「軽いから安全」とは判断できません。[2・6]
突然始まる似た出来事が繰り返されるか、前後にどのような変化があるかを確認します。ただし、失神や不整脈、低血糖、せん妄などでも反応の低下や記憶の抜けが起こります。持続時間だけで自己診断することはできません。
認知症とてんかんは併存することがあります。以前からもの忘れがあっても、新たに起きた反応の途切れや急な変化は別に評価します。[2]
反応が悪い状態が長く続く場合は、単なる回復待ちにしないでください。けいれんを伴わず発作が続く非けいれん性てんかん重積状態などの可能性もあり、呼びかけへの反応が戻らない場合は119番へ連絡してください。[1・3]
診察では、起きた日時、持続時間、呼びかけへの反応、体の動き、顔色、回復までの様子を確認します。脳卒中などの既往、最近の体調、薬の開始・変更・飲み忘れも重要です。可能なら、目撃した方のメモやお薬手帳を持参してください。[1・6]
動画が診断に役立つ場合もありますが、安全確保と救急対応が最優先です。撮影のために119番への連絡や介助を遅らせないでください。
すべての検査が全員に必要というわけではありません。症状と所見を組み合わせ、検査の種類や受ける医療機関を判断します。[1]
治療では抗発作薬(抗てんかん薬)を用い、発作を抑えながら生活への負担を減らすことを目指します。発作型に加え、腎臓・肝臓の機能、認知・精神症状、ふらつきや転倒のリスク、ほかの薬との相互作用を考慮します。高齢者全員に同じ薬が適するわけではありません。[1・5]
以下は焦点発作の治療で検討される薬の例と、確認する注意点です。おすすめ順や自己選択のための表ではありません。各薬の適応・用量は製品の電子添文と診察結果に従います。表が収まらない場合は、表の部分を横にスクロールしてください。[7]
| 一般名(商品名の例) | 主に確認する背景 | 注意したい変化 |
|---|---|---|
| レベチラセタム(イーケプラ) | 腎機能に応じた用量・間隔、精神面の状態 | 眠気、いらだち・興奮などの精神・行動面の変化 |
| ラモトリギン(ラミクタール) | 併用薬に応じた慎重な導入・増量、心臓の病気 | 発疹や発熱、口・目の粘膜症状など。重い皮膚障害の初期症状の可能性があります。 |
| ラコサミド(ビムパット) | 心臓の刺激伝導、併用薬、腎肝機能 | めまい・ふらつき、脈が遅い、失神など |
新しい発疹や発熱、強いふらつき、気分・行動の変化は早めに処方医へ連絡してください。特にラモトリギン服用中の発疹や粘膜症状は、次の定期受診まで待たず直ちに受診し、服用の扱いを確認してください。意識や呼吸の異常があれば119番を優先します。
抗凝固薬などの処方薬、市販薬、サプリメントも含めて確認します。薬によって相互作用が異なるため、他科で薬が追加・変更された場合も伝えてください。血中濃度測定は、薬の種類、副作用、効果、服薬状況などから必要性を判断し、全員・全薬剤で定期測定が必須というわけではありません。[1・8]
飲み忘れ時の対応は薬ごとに確認し、一律に2回分をまとめて飲まないでください。発作が抑えられていても、自己判断で急に中断・減量すると再発や重積状態につながる場合があります。減薬は病状と再発リスクを踏まえて処方医と相談します。詳しくはてんかん薬の継続・減薬についての記事もご覧ください。[7]
けいれんのない発作で歩き回る場合も、無理に押さえ込まず、危険な場所へ近づかないよう見守ります。回復が悪い・発作を繰り返す場合は、冒頭の救急対応を優先してください。[3・4・6]
てんかんの診断を受けた方が、全員一律に免許を取得・更新できなくなるわけではありません。ただし、「2年間発作がなければ自動的に運転できる」「医師がよいと言えば免許上も許可される」という仕組みではありません。
発作の経過や再発のおそれ、意識・運動への影響などを主治医が医学的に評価し、免許に関する判断は都道府県公安委員会が行います。睡眠中だけの発作などにも所定の経過観察・評価条件があります。普通免許と大型・第二種等の扱いも同じではないため、自分で例外に当てはめず、希望する免許の種類を伝えて相談してください。[9・10]
発作や原因不明の意識消失があった場合は、評価を受けるまで自己判断で運転しないでください。免許取得・更新時の質問票には正確に回答し、診断書など必要な手続きを運転免許窓口で確認します。[9・10]
相談先は主治医と、警察の安全運転相談窓口です。全国共通の相談ダイヤルは#8080で、原則として平日の執務時間内に対応します。本人だけでなく家族も相談できます。[10]
2026年には一部の抗発作薬の運転に関する注意喚起が改訂されています。薬の現行電子添文と日本てんかん学会の留意事項に基づき、発作の抑制、服薬状況、副作用、併用薬を医師が確認します。「眠気がなければ運転できる」「薬をやめれば運転できる」と自己判断しないでください。[7・11]
運転について確認を受けている方でも、薬の切り替えや用量変更後には観察期間を設け、その間は運転を控える必要があります。再開時期は主治医へ確認してください。眠気・めまい・ふらつきがあるときや、睡眠不足・発熱など自分の発作を誘発する状況では運転しないことも重要です。[11]
睡眠不足を避け、決められた服薬を続けられる仕組みを整えます。飲み忘れや重複服用が心配な場合は、本人の希望を踏まえ、お薬カレンダー、一包化の可否、家族や介護者による確認などを医師・薬剤師と相談しましょう。
入浴、水辺、高所、火を使う作業などは、発作が起きた場合の危険を考えて環境を調整します。生活を一律に制限するのではなく、発作の状態に応じた見守りや代替方法を相談してください。運転を控える間の通院・買い物についても、家族や支援者と移動手段を準備すると生活を続けやすくなります。[6・11]
あります。脳卒中後の変化、頭部外傷、神経変性疾患などが関わる場合も、原因が明らかでない場合もあります。老化だけで必ず発症するわけではありません。初めての発作は速やかに医療機関へ相談してください。
反応が途切れる、動作が止まる、口をもぐもぐするなどの発作もあります。ただし、失神や低血糖などでも似た症状が起こります。症状だけで決めず、前後の様子を含めて診察を受けてください。反応が戻らない場合は119番へ連絡してください。
突然始まる似た出来事を繰り返すか、持続時間や回復の様子などを確認し、脳波・画像・心電図・血液検査などを必要に応じて組み合わせます。認知症とてんかんは併存する場合もあり、家庭で症状だけから区別することはできません。
一度の脳波が正常でも否定できません。発作の様子や背景を踏まえ、必要なら再検査や長時間の記録を検討します。逆に、脳波の異常だけで診断が決まるわけでもありません。
診断名だけで一律に決まるわけではありません。主治医の医学的評価と所定の基準を踏まえ、都道府県公安委員会が判断します。2年間発作がないだけで自動的に運転できるわけではなく、薬の影響も確認します。主治医と運転免許窓口へ相談してください。
薬で抑えられている可能性があるため、自己判断で中止しないでください。減薬できるかは発作型、原因、経過、検査所見、再発リスクなどで判断します。急な中断は発作の再発や重積状態につながる場合があります。
高齢になってからの発作、繰り返す反応の途切れ、薬や運転の相談は、脳神経内科が相談先の一つです。西新宿今野クリニックの脳神経内科では、症状や経過を診察し、必要に応じて専門医療機関での検査・治療につなげます。診療の概要はてんかんの診療案内をご確認ください。
持病や複数の薬を含む体調の相談は内科でもご相談いただけます。お薬手帳、発作の記録、過去の検査結果があればお持ちください。所在地はアクセス・交通案内をご覧ください。救急症状がある場合は、当院への来院より119番への連絡を優先してください。
2026年9月14日確認。診療ガイドライン2018と追補版2022、薬剤の現行電子添文、2026年の運転に関する学会通知を区別して参照しています。