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「お茶碗を持つ手が震える」「人前で字を書こうとすると手が震えてしまう」など、手の震えは、日常生活の中で多くの方が経験する、非常に気になる症状の一つです。この手の震えは、単なる緊張や疲れからくる一時的なものであることもありますが、時には体の異常を知らせる大切なサインである場合もあります。
手の震えの原因は一つではなく、生理的なものから病気が原因のものまで様々です。医学的に手の震えの原因を考える場合、主に「脳の機能的な異常」、「特定の神経疾患」、または「薬剤や全身の体調」の三つの観点から調べることが基本となります。特に重要なのは、震えが「どんな時に出るか」という点です。例えば、何か動作をしようとした時に震えが強くなるのか(動作時振戦)、何もしていない安静時に震えるのか(安静時振戦)によって、考えられる原因となる病気が大きく異なります。手の震えは、原因によって適切な対処法や治療法が違ってきます。このブログでは、手の震えを引き起こす主な原因と、それぞれの特徴について、分かりやすく解説していきます。自分の症状がどのタイプに当てはまるのかを知ることは、不安を解消し、適切な対処への第一歩となります。
手のふるえ、すなわち振戦とは、自分の意思とは関係なく、体の一部、特に手が規則的かつリズミカルに震える現象のことです。これは筋肉が勝手に収縮と弛緩を繰り返すために起こります。手の震えは、非常に多くの人が経験する一般的な症状ですが、その原因や現れ方にはいくつかの種類があります。
医学的に手のふるえの原因を探る際、どのような状況で震えが出るかという点が非常に重要な手がかりになります。ふるえは主に以下の三つのタイプに分類されます。
一つ目は安静時振戦です。これは、何かをしようとせず、手足を休ませているリラックスした状態の時に最も強く現れるふるえです。手を動かし始めたり、何かを掴もうとしたりすると、かえって震えが弱くなったり止まったりすることがあります。この安静時振戦は、パーキンソン病という病気で特徴的によく見られる症状です。このふるえの大きな特徴は、本人が意識して動かそうとしたり、目標に向かって手を伸ばしたりすると、その動作をしている間は震えが弱くなったり、一時的に消えたりすることです。また、ふるえの動きは比較的ゆっくりとしていて、規則正しくリズミカルに震えが続くことが多いです。
安静時振戦の代表的で、最も重要な原因となる病気はパーキンソン病です。パーキンソン病は、脳の中でドパミンという物質を作る神経細胞が減ってしまうことで起こります。この安静時振戦は、パーキンソン病が始まったばかりの頃に現れる、中心となる症状の一つとして知られています。パーキンソン病によるふるえは、体の片側の手や足から始まることが多く、特に指先がまるで丸薬を丸めているかのような動きで震えることがあります。病気が進むと、両方の手足や、あごや唇にも震えが広がる可能性があります。これに対して、緊張している時や何か動作をしようとした時に強くなるふるえは、安静時振戦とは別のタイプです。
二つ目は動作時振戦です。これは、何らかの動作をしようとする時や、特定の姿勢を保とうとする時に現れるふるえです。例えば、腕を前に突き出して保とうとする時に震える姿勢時振戦や、目標物に手を伸ばす動作の終わりに近づくほど震えが大きくなる企図振戦があります。企図振戦は、主に小脳の機能に問題がある場合に起こることが多いです。
三つ目は生理的振戦の増強です。健康な人でも誰でも持っているごくわずかな震えが、緊張、不安、疲労、睡眠不足など、体調の変化によって一時的に強くなるものです。また、カフェインやアルコールの過剰摂取、甲状腺機能亢進症などの病気、特定の薬の副作用などによっても起こることがあります。このタイプの震えは、原因となった状態が改善すれば治まるのが一般的です。
振戦の治療は、まずふるえの原因となっている病気や状態を正しく見つけることから始まります。ふるえのタイプによって、治療法は大きく変わってきます。
誰もが持つわずかなふるえが、緊張や体調不良で一時的に強くなっている生理的振戦の増強の場合、最も大切なのは原因を取り除くことです。具体的には、過度なストレスや疲労、睡眠不足を避けて規則正しい生活を送ること、カフェインやアルコール、喫煙といった震えを強める刺激物を控えることが挙げられます。また、甲状腺の病気など、他の病気が原因であれば、その病気の治療を優先します。もし服用中の薬が原因であれば、医師の判断で薬を調整します。
特定の病気が見つからない本態性振戦は、動作時に震えが強くなる最も一般的なタイプです。治療は、日常生活で困っている程度や患者さんの希望に応じて進められます。薬物療法では、ベータ遮断薬や抗てんかん薬などが使われます。これらの薬は、脳の興奮を抑えることで、ふるえの症状を軽くすることを目的としています。薬が効かない重度のふるえに対しては、脳の特定の場所に電気刺激を与える脳深部刺激療法(DBS)や、超音波を使って特定の部位を破壊する集束超音波治療などの外科的な治療が検討されることがあります。
安静時に震えが特徴的なパーキンソン病が原因の場合、治療は、脳内で不足しているドパミンという物質を補う薬を中心に行われます。この治療は、震えだけでなく、動作が遅くなる、体が硬くなるといった他のパーキンソン病の症状も改善させる効果が期待できます。
小脳の障害などによる企図振戦は、残念ながら特効薬がまだありません。症状を完全に抑えるのは難しいことが多いため、薬物療法として抗てんかん薬などが試みられることもありますが、日常生活でのリハビリテーションや工夫が治療の中心となります。振戦の治療は、患者さんそれぞれのふるえの種類、症状の重さ、そして生活への影響をしっかりと評価した上で、最も適した方法が選ばれます。
手のふるえの原因の多くは、脳や神経の異常によるものなので、専門的にこれらを扱う脳神経内科を受診するのが最も適切です。脳神経内科は、パーキンソン病や、最も一般的なふるえである本態性振戦など、ふるえの原因となる多くの神経疾患の診断と治療を専門としています。特に、何もしていない時に震える場合や、何か動作をしようとした時に震える場合など、ふるえのタイプを詳しく調べて診断します。しかし、ふるえの原因が神経疾患ではない場合は、他の科が適切な場合もあります。例えば、甲状腺機能亢進症など、ホルモンの異常が原因でふるえが起きている場合は、内科や内分泌内科での治療が必要です。また、首の骨の病気(頚椎症など)による神経の圧迫で、しびれと共に手が震える場合は整形外科が関わることもあります。さらに、極度の不安や緊張が原因でふるえが増している場合は、心療内科や精神科での相談が有効です。
まずは、ふるえの原因として最も可能性の高い神経の病気を専門とする脳神経内科を受診し、そこで他の原因が疑われれば、適切な科を紹介してもらうのが最もスムーズな流れとなります。手のふるえが強くて日常生活に支障が出る場合や、体の動きが遅い、硬いといった他の症状を伴う場合は、原因を特定するために専門の医療機関、特に神経内科を受診することが大切です。
ここまで読まれて、震えの原因を知るには結構難しいと思った方が多いと思います。震えの専門は、脳神経内科、脳神経外科です。当院は脳神経内科なので、些細なことでもご相談いただけたらと思います。
監修 医師:今野正裕