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不眠症の原因、睡眠薬の種類

不眠症(ふみんしょう)は、十分な睡眠が取れず、日中の生活に支障をきたす状態を指します。不眠症の主な症状には以下が含まれます。

不眠症の種類

  1. 寝つきが悪い(入眠困難)
    • ベッドに入ってもなかなか眠れず、眠るまでに時間がかかります。
  2. 途中で目が覚める(中途覚醒)
    • 夜中や早朝に目が覚め、再び寝付けなくなることが多いです。
  3. 朝早く目覚める(早朝覚醒)
    • 朝早く目が覚めてしまい、その後眠れなくなる状態です。
  4. 眠りが浅いと感じる(熟眠障害)
    • 睡眠時間は確保していても、ぐっすり眠れた感じがしない状態です。

不眠症の原因

不眠症の原因はさまざまで、以下の要因が関係しています:

  • ストレスや心理的な要因
    • 仕事や人間関係、健康などの悩みや不安が睡眠を妨げます。
  • 生活習慣の乱れ
    • 睡眠リズムの不規則、カフェインやアルコールの摂取、夜更かしなどが影響します。
  • 身体的な要因
    • 痛み、かゆみ、呼吸の問題、頻尿などが睡眠を妨げることがあります。
  • 精神疾患
    • うつ病や不安障害などの精神的な疾患が不眠症と関連することが多いです。
  • 環境要因
    • 騒音や温度、光などの外的な環境も、快適な睡眠を妨げる要因です。

不眠症が長期間続くと、日中の集中力の低下や疲労感、気分の変動が現れるため、症状が続く場合は医師や専門家に相談することが推奨されます。

不眠症の薬

1. ベンゾジアゼピン系睡眠薬

概要: 中枢神経系に作用して、神経の活動を抑えることで、鎮静・睡眠効果をもたらす薬です。古くから使用されている睡眠薬の一つです。

特徴: 効果が強く、持続時間が短いものから長いものまであります。

トリアゾラム(商品名: ハルシオン)— 短時間型

ブロチゾラム(商品名: レンドルミン)— 中時間型

ニトラゼパム(商品名: ベンザリン)— 長時間型

副作用: 依存性や耐性が生じることがあるため、長期間の使用は避けるべきです。また、翌日の眠気やふらつき、記憶障害が現れることがあります。

2. 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

概要: ベンゾジアゼピン系と同じ受容体に作用しますが、より特定の部分に作用することで、鎮静・睡眠効果を持ちつつ副作用を軽減した薬です。

特徴: ベンゾジアゼピン系よりも依存性や耐性が低いとされ、短時間型が多いです。

例:

ゾルピデム(商品名: マイスリー)— 短時間型

ゾピクロン(商品名: アモバン)— 短時間型

エスゾピクロン(商品名: ルネスタ)— 短時間型

副作用: ベンゾジアゼピン系より軽度ですが、依存性や耐性が生じることがあるほか、まれに記憶障害や異常行動(夢遊症)などが見られることがあります。

3. メラトニン受容体作動薬

概要: 睡眠ホルモンであるメラトニンの受容体に作用し、自然な眠りを促す薬です。体内時計を調整することで、自然な睡眠リズムを回復します。

特徴: 依存性がほとんどなく、睡眠の質を向上させる効果があります。特に高齢者や軽度の不眠症に適しています。

例:

ラメルテオン(商品名: ロゼレム)

副作用: 副作用は少ないですが、まれに頭痛や倦怠感を感じることがあります。

4. オレキシン受容体拮抗薬

概要: 覚醒を維持する神経伝達物質であるオレキシンの働きを抑制することで、自然な眠りに導く薬です。特徴: 比較的新しいタイプの睡眠薬で、依存性が少ないとされています。睡眠の導入や維持に有効です。:

スボレキサント(商品名: ベルソムラ)

レンボレキサント(商品名: デエビゴ)

副作用: 翌日の眠気やふらつきが出ることがありますが、依存性や耐性は少ないとされています。

5. 抗ヒスタミン薬

概要: ヒスタミンは覚醒に関わる物質であり、その働きを抑えることで、鎮静・眠気を引き起こします。市販の睡眠補助薬としても使われています。

特徴: 眠気を引き起こすため、軽度の不眠に使用されますが、持続時間が長いことが多く、翌日の眠気が残ることがあります。

例:

ジフェンヒドラミン(商品名: レスタミン)

副作用: 翌朝の眠気や口渇、めまいなどが起こることがあります。また、長期使用には適していません。

6. 抗うつ薬(低用量)

概要: 一部の抗うつ薬は、低用量で鎮静作用があるため、不眠症治療にも使用されます。特にうつ病や不安症を伴う不眠に対して効果的です。

例:

トラゾドン(商品名: デジレル)

ミアンセリン(商品名: テトラミド)

副作用: 眠気のほか、口渇や便秘、体重増加などが見られることがあります。

睡眠薬以外の不眠症への対処法

1. 睡眠環境を整える

  • 寝室の快適さを確保する
    • 部屋の温度・湿度を適切に保つ(やや涼しいと感じる程度が理想的)。
    • 遮光カーテンを使って光を遮り、静かな環境を作る。
    • 寝具を自分に合ったもの(硬さ、素材など)にする。
  • 寝室は睡眠専用にする
    • ベッドでは読書、スマホ、仕事などをしないようにする。
    • ベッド=眠る場所という認識を体に教える。

2. 睡眠のリズムを整える

  • 規則正しい生活リズムを維持する
    • 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつける。
    • 休日でも大幅に睡眠時間をずらさない。
  • 昼寝を短時間に抑える
    • 昼寝は15~20分程度にし、午後早めの時間に取るのが理想。

3. 就寝前の行動に注意

  • リラックスする習慣を取り入れる
    • 就寝30分~1時間前にリラックスできる行動を取る(読書、音楽、瞑想、ストレッチなど)。
    • ホットミルクやハーブティー(カモミールやラベンダー)を飲む。
  • 体を温める
    • 就寝の1~2時間前に入浴する(38~40℃のぬるめのお湯で)。
    • 温かい靴下や湯たんぽを使って体温を適度に保つ。
  • 寝る前に避けるべきこと
    • スマホやタブレット、テレビなどのブルーライトを浴びない。
    • カフェインやアルコールを摂らない(特に夕方以降)。
    • 激しい運動や興奮するような活動を控える。

4. リラクゼーション技法

  • 深呼吸法
    ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと吐くことで体をリラックスさせる。
  • 筋弛緩法
    体の各部位を順番に緊張させてから緩めることで、リラックス感を高める。
  • 瞑想やマインドフルネス
    現在の感覚や呼吸に意識を集中させ、雑念を取り除く。
  • 自律訓練法
    「手が温かくなる」「全身がリラックスしている」といったイメージを心に描き、体を落ち着ける。

5. 日中の活動を見直す

  • 日光を浴びる
    朝起きたら太陽の光を浴びて体内時計をリセットする。
  • 適度な運動をする
    ウォーキングやヨガなど、軽い有酸素運動を日中に取り入れる(寝る直前は避ける)。

6. 食事に気をつける

  • 寝る直前の食事を避ける
    消化が活発になると眠りを妨げます。
  • 睡眠を助ける栄養素を意識する
    • トリプトファンを含む食品(バナナ、牛乳、チーズ、ナッツ)。
    • マグネシウムやビタミンB群を含む食品(豆類、葉物野菜、魚)。

7. 考え方を工夫する

  • 「眠れなくても大丈夫」と考える 「眠らなければ」と思いすぎると、逆に緊張して眠れなくなります。リラックスして「布団の中で休むだけでも良い」と捉えましょう。

まとめ

睡眠薬にはさまざまな種類があり、症状や体質、原因に応じて適切な薬が選ばれます。特に依存性や副作用に注意し、医師と相談しながら使用することが重要です。また、薬だけでなく、生活習慣の改善や睡眠環境の整備も不眠症の改善に役立ちます。

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