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現代人が悩む不眠症。どの薬を選べば良い?何科を受診すべき?

現代社会では、多くの人が「眠れない」「寝ても疲れが取れない」といった不眠の悩みを抱えています。不眠症は単なる睡眠不足ではなく、生活の質や健康に大きな影響を与える症状です。ストレスや環境の変化、加齢や病気など原因はさまざまで、症状の現れ方も人によって異なります。入眠が難しい「入眠困難型」、夜中に目が覚める「中途覚醒型」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒型」など、タイプによって対処法も変わります。本記事では、不眠症の原因や種類、薬物療法や生活習慣の改善方法まで、幅広くわかりやすく解説し、睡眠の質を取り戻すためのポイントを紹介していきます。眠れない夜に悩むすべての人に、役立つ情報をお届けします。

目次

不眠症の種類

不眠症は、睡眠の質や量に問題があり、日中の生活に支障をきたす状態を指します。医学的には「不眠症状が少なくとも3か月以上続き、週に3回以上生じる場合」に診断されることが多いです。不眠症はその原因や症状のパターンによっていくつかの種類に分類されます。

まず最も一般的なのが入眠困難型不眠で、寝ようとしてもなかなか眠れないタイプです。ストレスや環境の変化、精神的緊張が原因となることが多く、夜間にベッドに入っても長時間目が冴えてしまいます。次に中途覚醒型不眠があります。これは夜間に何度も目が覚めるタイプで、加齢や慢性疾患、うつ病などが原因になることがあります。早朝覚醒型不眠は、予定よりも早く目が覚め、その後再び眠れない状態で、うつ病や慢性疼痛との関連が指摘されています。

さらに、熟眠障害型不眠は睡眠時間は確保できても、疲労感や眠気が残るタイプです。これは睡眠の質が低下しているためで、睡眠時無呼吸症候群やむずむず足症候群などが原因になる場合があります。また、精神生理性不眠は、就寝前の過剰な覚醒や寝床に対する不安が原因で起こるもので、習慣化すると慢性化しやすい傾向があります。

その他に、薬物やアルコール、カフェインの影響による二次性不眠もあります。これは根本的な疾患や生活習慣の改善により改善が期待されます。不眠症の治療では、まず原因の特定が重要で、生活習慣の改善や認知行動療法が基本となり、必要に応じて睡眠薬の使用が検討されます。不眠症の種類を正確に把握することで、より適切な治療方針を立てることが可能です。

不眠症の原因

不眠症は、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症することが多く、原因を大きく分類すると身体的要因、精神的要因、生活習慣や環境的要因、薬剤や物質による影響の4つに分けられます。

まず、身体的要因としては、慢性的な痛みや呼吸障害、心疾患、消化器疾患などの身体疾患が挙げられます。特に、睡眠時無呼吸症候群やむずむず足症候群など、睡眠そのものを妨げる疾患は不眠症の重要な原因です。また、ホルモン異常や甲状腺疾患、閉経後の女性に見られる更年期症状も影響します。

次に、精神的要因です。不安やストレス、うつ病、躁うつ病などの精神疾患は入眠困難や中途覚醒を引き起こすことがあります。特に、日中の強いストレスや過度の緊張は寝床に入った際の覚醒状態を高め、慢性的な不眠につながります。

さらに、生活習慣や環境的要因も大きく関与します。不規則な睡眠時間、夜勤やシフト勤務、長時間のスマートフォンやパソコンの使用、騒音や光の多い環境などは、体内時計を乱し、睡眠リズムの障害を招きます。カフェインやアルコールの過剰摂取も入眠の妨げになることがあります。

最後に、薬剤や物質による影響です。興奮作用のある薬(ステロイド、抗うつ薬、利尿薬など)は入眠を妨げることがあります。また、アルコールやカフェイン、ニコチンも睡眠の質を低下させる原因となります。

このように不眠症は単一の原因ではなく、多くの場合複数の要因が重なって発症します。そのため、治療では原因を総合的に評価し、生活習慣の改善、精神的ケア、必要に応じた薬物療法を組み合わせることが重要です。早期に原因を特定することで、慢性化を防ぎ、質の良い睡眠を取り戻すことが可能となります。

不眠症の薬

不眠症の薬物療法は、患者の症状や不眠の種類、原因に応じて選択されます。主に用いられるのは睡眠導入薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、メラトニン受容体作動薬などです。薬物は、短期的な症状の改善や生活リズムの安定化に役立ちますが、長期使用には依存性や耐性、副作用のリスクがあるため、医師の指導のもとで使用することが重要です。

まず、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、GABA受容体を介して脳の神経活動を抑制することで入眠を助けます。作用時間の短い薬は入眠困難型不眠に、作用時間の長い薬は中途覚醒や早朝覚醒型不眠に用いられます。代表的な薬剤には、ゾルピデムやエスゾピクロンなどがあります。ベンゾジアゼピン系は依存性や耐性のリスクがあるため、原則として短期間の使用が推奨されます。

次に、非ベンゾジアゼピン系薬は、ベンゾジアゼピン受容体に選択的に作用するため、鎮静作用や筋弛緩作用が弱く、比較的副作用が少ないとされています。ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロンなどが代表で、入眠をサポートしつつ日中の眠気が出にくいのが特徴です。

抗うつ薬も不眠改善に用いられることがあります。特に、トラゾドンやミルタザピンなどは、鎮静作用を持つため、中途覚醒や熟眠障害型の不眠に適しています。抗うつ薬は精神的要因による不眠やうつ症状を伴う場合に有効です。また、SSRIやSNRIは不眠の副作用を伴うことがあるため注意が必要です。

抗ヒスタミン薬は、市販薬として入手可能で、ヒスタミン受容体を遮断することで眠気を誘発します。即効性はあるものの、耐性がつきやすく、日中の眠気や口渇などの副作用が出やすい点に注意が必要です。

さらに、メラトニン受容体作動薬は、体内時計を整える作用があり、特に高齢者や時差による不眠、生活リズムの乱れによる不眠に有効です。ラメルテオンなどが代表例で、依存性がほとんどないことが利点です。

不眠症薬の使用では、用量や服用時間の調整、生活習慣改善との併用が重要です。薬物療法のみでは根本的な治療にはならないため、睡眠衛生指導や認知行動療法と組み合わせることで、より長期的な改善が期待できます。副作用や依存性を防ぐため、自己判断での長期使用は避ける必要があります。

睡眠薬以外の不眠症への対処法

不眠症への対処法は、薬物療法に頼らず生活習慣や環境を整えることでも十分効果があります。まず基本となるのは睡眠衛生の改善です。毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、寝室の照明や騒音、温度を適切に保つことで、体内時計を安定させます。寝る直前のスマートフォンやパソコン使用はブルーライトで覚醒を促すため避けることが推奨されます。また、カフェインやアルコール、ニコチンの摂取も睡眠の質を低下させるため、夕方以降は控えることが重要です。

運動習慣も効果的です。日中に適度な運動を行うことで、夜間の入眠がスムーズになり、深い睡眠を得やすくなります。ただし、就寝直前の激しい運動はかえって覚醒を促すため避けます。

心理的要因が強い場合は、認知行動療法が有効です。就寝や起床時間の調整、寝床にいる時間の管理、寝る前のリラクゼーションや呼吸法、悩みや不安を整理する認知再構成などを行うことで、入眠困難や中途覚醒の改善が期待できます。

また、昼寝の取り方や光の浴び方も重要です。昼寝は短時間にとどめ、朝や昼間に十分な日光を浴びることで、体内時計が整い夜間の睡眠が促されます。これらの方法を組み合わせることで、薬に頼らず自然な睡眠リズムを回復させ、不眠症の改善につなげることが可能です。

不眠症は何科を受診すれば良いか?

不眠症で受診する場合、基本的には心身両面から評価できる科が適しています。まず第一選択としては睡眠障害や不眠症に対応できる内科、神経内科、精神科、心療内科が挙げられます。

  • 精神科・心療内科
    精神的ストレスや不安、うつ病、躁うつ病などが原因で不眠が起きている場合に適しています。認知行動療法(CBT-I)や薬物療法など、心理的アプローチと薬物療法を組み合わせた治療が可能です。
  • 神経内科・睡眠外来
    睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、パーキンソン病など神経や身体の疾患に起因する不眠の場合に適しています。必要に応じて睡眠ポリグラフ検査など専門的検査を行い、原因を明確にして治療します。
  • 内科一般
    慢性的な痛みや心疾患、消化器疾患など身体的疾患による不眠の場合は、かかりつけ内科でまず評価してもらい、必要に応じて睡眠外来や精神科に紹介されることがあります。

不眠症は原因が多岐にわたるため、単に眠れない症状だけでなく、日中の眠気、疲労感、生活習慣、ストレスの有無などを総合的に伝えることが診断と治療に重要です。必要に応じて、複数の科を連携して受診することもあります。

まとめ

睡眠薬にはさまざまな種類があり、症状や体質、原因に応じて適切な薬が選ばれます。特に依存性や副作用に注意し、医師と相談しながら使用することが重要です。また、薬だけでなく、生活習慣の改善や睡眠環境の整備も不眠症の改善に役立ちます。

監修 医師:今野正裕

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