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パーキンソン病

パーキンソン病について

パーキンソン病は中高年以降に多くみられる神経変性疾患で、加齢とともに有病率が高くなることが知られています。日本におけるパーキンソン病の有病率は、一般に人口10万人あたりおよそ100~150人程度とされています。これは決してまれな病気ではなく、日常診療でも比較的よく遭遇する疾患の一つです。

年齢別にみると、50歳未満での発症は少なく、60歳以降から徐々に増加し、70歳代、80歳代では有病率がさらに高くなります。特に高齢化が進むにつれて患者数は増加傾向にあり、社会全体としても重要な課題となっています。男女差については、やや男性に多いとする報告が多いものの、大きな差はないとされています。また、診断技術の進歩や医療機関への受診機会の増加により、以前よりも早期に診断されるケースが増えていることも、有病率の上昇に影響していると考えられます。今後も高齢化の進展に伴い、パーキンソン病の患者数は増えていくと予想されています。

パーキンソン病の症状は珍しい症状が多く、以下にまとめました。

  • 静止時振戦
    なにもしていなく静止している状態の時に、手が勝手に震えます。
  • 無動
    動作が緩慢になる、歩行が小刻みとなる、字が小さくなるなど、動作が全体的に小さく乏しくなります。
  • 筋強剛
    手足を曲げる際に、歯車や鉛のように固くなりスムーズに動かなくなります。
  • 姿勢反射障害
    前屈の猫背の体位をとり、後方に引くと倒れやすいです。
  • 自律神経障害
    便秘、排尿障害、立ちくらみなどを認めます。特に便秘の頻度は高いです。
  • 精神症状
    うつ症状を認めることがあります。

このように、パーキンソン病の症状は特徴的で専門的です。
またこのような症状でも、パーキンソン病の類似疾患である脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、薬剤性パーキンソニズムなどの可能性もあります。

パーキンソン病の診断は、主に症状の経過や神経学的診察をもとに行われます。特徴的な症状として、動作が遅くなる、手足が震える、筋肉がこわばる、歩行が小刻みになるといった運動症状があります。これらの症状のうち、特に動作緩慢は診断において重要な所見とされています。診察では、安静時振戦の有無、動作開始の遅れ、指を動かす細かい動作の拙劣さ、姿勢や歩行の変化などを確認します。また、左右差があるかどうかも診断の手がかりとなります。初期には片側の手足から症状が始まることが多いとされています。画像検査としては、MRIが行われ、脳梗塞や脳腫瘍、正常圧水頭症など、似た症状を示す他の病気を除外する目的で用いられます。パーキンソン病そのものを直接診断できる画像所見は乏しいですが、鑑別診断として重要です。補助的検査として、ドパミントランスポーターシンチグラフィーが用いられることもあり、ドパミン神経の機能低下を評価します。また、薬剤への反応も診断の参考になります。ドパミン補充療法により症状が改善する場合、パーキンソン病の可能性が高いと判断されることがあります。診断は一度で確定するとは限らず、経過を追いながら総合的に判断されることが多い病気です。

パーキンソン病の治療は、症状を和らげ、日常生活の質を保つことを目的として行われます。現時点では病気そのものを完全に治す治療はありませんが、薬物療法を中心に症状のコントロールが可能です。治療の基本は、脳内で不足しているドパミンの働きを補うことです。代表的な薬として、レボドパ製剤があり、体内でドパミンに変換されることで運動症状を改善します。効果が高く、多くの患者で使用されますが、長期使用により効果の持続時間が短くなったり、不随意運動が出現したりすることがあります。そのほか、ドパミン作動薬、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬などがあり、症状や年齢、生活状況に応じて組み合わせて使用されます。初期には比較的軽い薬から開始し、症状の進行に応じて調整されることが一般的です。薬物療法に加えて、リハビリテーションも重要です。運動療法や歩行訓練、ストレッチを行うことで、筋力や柔軟性を保ち、転倒予防につながります。進行した場合には、薬で十分な効果が得られない症状に対して、脳深部刺激療法が検討されることもあります。パーキンソン病の治療は長期にわたるため、定期的な通院と治療内容の見直しが重要とされています。

動作が遅くなった、歩き始めにくい、手が震えるといった症状がみられる場合、パーキンソン病を心配する方も少なくありません。これらの変化は加齢によるものと考えられがちですが、進行性の病気が隠れていることもあります。パーキンソン病が疑われる場合は、脳神経内科を受診することが適切です。初期の段階では、手足の動きがぎこちない、字が小さくなる、表情が乏しくなるといった症状が現れることがあります。また、安静時に手が震える、姿勢が前かがみになる、歩幅が小さくなるといった変化が徐々に目立つようになります。症状の出方には個人差があり、気づきにくいこともあります。パーキンソン病の診断には、詳しい問診と神経学的診察が重要です。血液検査や画像検査は、他の病気を除外する目的で行われることが多く、症状の経過を総合的に評価する必要があります。このような専門的な診断を行う診療科が脳神経内科です。治療は、薬物療法を中心に行われ、症状の進行を抑えながら日常生活の質を保つことを目指します。症状や生活状況に応じて、リハビリテーションや生活指導が行われることもあります。早期から適切な治療を始めることで、症状のコントロールがしやすくなります。動作の変化や手足の震えなどが気になる場合は、自己判断せず、早めに脳神経内科へ相談することが大切です。パーキンソン病は、脳神経内科が専門的に診療を行う病気であり、継続的なフォローが重要になります。