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物忘れ

物忘れが気になる方へ ~年齢のせいと決めつけず、一度ご相談ください~

「最近、人の名前がなかなか思い出せない」「何を取りに来たのか忘れてしまう」「同じことを何度も聞いてしまう」。このような経験は、年齢を重ねるにつれて誰にでも起こり得ます。しかし、物忘れの中には加齢による自然な変化だけでなく、治療や対策が必要な病気が隠れていることもあります。物忘れが気になり始めたとき、「まだ病院に行くほどではない」と考える方は少なくありません。しかし、早めに原因を調べることで、進行を遅らせたり、改善が期待できたりする病気もあります。今回は、物忘れの原因や受診の目安について解説します。

目次

加齢による物忘れと認知症の違い

加齢に伴う物忘れは、誰にでも起こる自然な変化です。例えば、「昨日の夕食のメニューを思い出せない」「芸能人の名前がすぐに出てこない」といったことは珍しくありません。しかし、後から思い出せたり、「そうだった」と言われれば理解できたりすることが多いのが特徴です。一方、認知症では「食事をしたこと自体を忘れる」「約束そのものを忘れてしまう」「同じ質問を何度も繰り返す」「慣れた道で迷う」といった症状がみられることがあります。また、日常生活や仕事、家事に支障が出始めることも少なくありません。単なる加齢による物忘れなのか、それとも病気によるものなのかは、ご本人やご家族だけで判断するのは難しい場合があります。

物忘れの原因は認知症だけではありません

物忘れの原因として最も知られているのは認知症ですが、それ以外にもさまざまな病気や体調の変化が関係します。例えば、睡眠不足や強いストレス、うつ病では集中力や記憶力が低下し、「物忘れが増えた」と感じることがあります。また、甲状腺機能低下症やビタミンB12欠乏症などの内科疾患でも似たような症状が現れることがあります。さらに、薬の副作用や飲み合わせが原因となることもあります。高齢になるほど服用する薬が増えやすく、眠気や注意力の低下が物忘れのように見えるケースも少なくありません。このように、物忘れの背景にはさまざまな原因があるため、自己判断せずに医療機関で評価を受けることが大切です。

認知症にはさまざまな種類があります

認知症にはいくつかの種類があります。

最も多いのはアルツハイマー型認知症で、少しずつ記憶障害が進行していくのが特徴です。

脳梗塞や脳出血が原因となる血管性認知症では、症状の現れ方が階段状に進むことがあります。

また、幻視や手足の震えを伴うレビー小体型認知症や、性格の変化や社会性の低下が目立つ前頭側頭型認知症など、それぞれ特徴が異なります。

原因によって治療方針や対応方法も異なるため、正確な診断が重要です。

このような症状がある場合は受診をおすすめします

次のような症状がある場合は、一度医療機関へ相談しましょう。

  • 同じ話を何度も繰り返す
  • 約束や予定を頻繁に忘れる
  • 財布や鍵を何度もなくす
  • 料理や会計など、今までできていたことが難しくなった
  • 慣れた道で迷うことがある
  • 性格が変わったように感じる
  • ご家族から物忘れを指摘されることが増えた

ご本人は自覚が少ないこともあるため、ご家族の気付きが受診のきっかけになることも珍しくありません。

医療機関ではどのような検査をするのでしょうか

診察では、まず症状がいつ頃から始まったのか、どのような場面で困っているのかを詳しくお聞きします。その後、簡単な認知機能検査を行い、必要に応じて血液検査や画像検査をご案内します。血液検査では、甲状腺疾患やビタミン不足など治療可能な原因がないかを確認します。脳梗塞や脳腫瘍、水頭症などが疑われる場合には、MRIやCTなどの画像検査が必要になることもあります。専門的な検査が必要と判断した場合には、適切な医療機関をご紹介いたします。

日頃からできる認知症予防

認知症を完全に予防する方法はまだ確立されていませんが、生活習慣を整えることは脳の健康維持につながると考えられています。適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠、人との交流、読書や趣味などで脳を使うことは、認知機能の維持に役立つ可能性があります。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を適切に治療することも、認知症のリスクを下げるために重要です。

気になる症状があればお気軽にご相談ください

物忘れは、「年齢のせいだから」と見過ごされがちですが、中には早期発見・早期治療が大切な病気が隠れていることがあります。ご本人だけでなく、ご家族が「少し様子がおかしいかもしれない」と感じた場合も、遠慮なくご相談ください。当院では、物忘れの原因を丁寧に確認し、必要に応じて認知機能の評価や血液検査を行っています。また、専門的な検査や治療が必要な場合には、連携する医療機関をご紹介いたします。「少し気になる」という段階で受診することが、将来の安心につながることもあります。物忘れでお困りの方やご家族の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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