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インフルエンザ脳症は大人にも起こる?症状・後遺症を解説

インフルエンザ脳症は小児に多い重い合併症ですが、まれに大人にも起こります。高熱だけで脳症と判断するものではありません。インフルエンザの経過中に、呼びかけへの反応が悪い、意識がもうろうとする、けいれん、明らかな異常行動などがあれば、通常外来を待たず速やかな医療評価が必要です。

目次

インフルエンザ脳症とは

インフルエンザ脳症は、インフルエンザに伴って急性の意識障害などを起こす神経系の合併症です。多くのインフルエンザ患者さんが発症するものではありませんが、疑われるときは迅速な全身管理と原因評価が必要になります。

発熱、頭痛、倦怠感は通常のインフルエンザでもみられ、それだけで脳症とは診断できません。「熱が高いから脳症」「会話ができるから脳症ではない」と自己判断せず、意識状態や症状の変化を確認することが重要です。

インフルエンザ脳症は大人にも起こる?

インフルエンザ脳症は特に小児で知られていますが、成人や高齢者での報告もあります。ただし、成人のインフルエンザ患者さんに一般的に起こる合併症という意味ではありません。年齢にかかわらず、急な意識状態の変化、けいれん、異常な言動などがあれば評価が必要です。

小児では症状の訴えが難しいことがあるため、反応、視線、言動、けいれんの有無を周囲の方が観察し、異常があれば小児救急を含む医療機関へ相談してください。成人でも、普段と違う反応や行動は本人だけで判断せず、周囲の方が救急受診を検討します。

インフルエンザ脳症の主な症状

中心となるのは、意識や行動の明らかな変化、けいれんなどの神経症状です。現れ方は一様ではなく、すべての症状がそろうとは限りません。

  • 呼びかけへの反応が鈍い、起こしても反応しにくい
  • 会話がかみ合わない、場所や人が分からない
  • 意識がもうろうとする、意識を失う
  • けいれんが続く、または繰り返す
  • 普段とは明らかに異なる言動や行動
  • 急速な全身状態の悪化

初期に注意したい症状

単なる眠気と区別しにくい場合がありますが、何度呼びかけても反応が悪い、簡単な問いに答えられない、視線が合わない、歩けないなど、普段との明らかな違いが重要です。高熱、頭痛、倦怠感だけでは脳症かどうかは分かりません。

意識障害・異常行動

発熱時やインフルエンザでは一時的にうわごとや異常な言動がみられることもあり、異常行動だけで脳症とは断定できません。一方、反応不良が続く、意味の通らない言動を繰り返す、危険な行動がある場合は、付き添って安全を確保し、速やかに医療機関へ相談してください。

けいれん

けいれんが続く、繰り返す、けいれん後も意識が戻らない場合は救急要請を検討します。発作中は周囲の危険物を除き、無理に押さえつけたり、口へ物を入れたりしないでください。可能なら安全を確保したうえで発作時間と様子を記録します。反復する発作の一般的な情報はてんかんページも参考になりますが、今回の急性症状をてんかんと自己判断しないでください。

インフルエンザ脳症はいつ起こる?

神経症状はインフルエンザ発症後の早い時期に現れることがありますが、特定の時間を過ぎれば起こらないとは言えません。発熱からの日数だけで安全性を判断せず、意識状態、けいれん、呼吸状態、全身状態の変化を優先して判断します。

抗インフルエンザ薬を使用していても、脳症を完全に予防できると保証されるものではありません。服薬の有無だけで様子を見ず、危険な症状があれば救急医療を優先してください。

インフルエンザ脳症の原因・仕組み

発症には、感染に対する過剰な炎症反応、血管の透過性や代謝の異常など、複数の仕組みが関係すると考えられています。単純にウイルスが脳へ直接侵入する病気とだけ説明できるものではありません。

特定の解熱薬を使ったことだけで脳症の原因を断定することもできません。年齢や体調に合わない薬を避けるため、市販薬を含め、解熱鎮痛薬は用法・用量を守り、医師・薬剤師へ相談してください。

病院で行う診察・検査

発症時刻、発熱の経過、意識状態、けいれん、服薬歴、基礎疾患などを確認し、神経学的診察と呼吸・循環を含む全身評価を行います。必要に応じて、血液検査、インフルエンザ検査、CT・MRIなどの画像検査、脳波、髄液検査などを組み合わせます。

全員に同じ検査を行うわけではなく、初期の画像検査だけで必ず診断できるとも限りません。髄膜炎、脳炎、脳卒中、代謝異常、薬物の影響など、ほかの原因も含めて緊急性を評価します。

インフルエンザ脳症の治療

インフルエンザ脳症が疑われる場合は、入院可能な医療機関で呼吸・循環の管理、けいれんへの治療、脳浮腫や全身状態への対応などが検討されます。治療内容は重症度、年齢、検査所見、合併症によって異なります。

抗インフルエンザ薬はインフルエンザ感染への治療として患者背景に応じて検討されますが、使用すれば脳症が必ず改善する、または予防できるとは限りません。自宅で薬を追加・変更して治療する病態ではありません。

インフルエンザ脳症の後遺症

回復の程度には幅があり、後遺症なく回復する場合がある一方、運動機能、認知機能、言語、記憶、行動、発作などに影響が残る場合もあります。小児では発達面を含む継続的な評価が必要になることがあります。

後遺症や死亡の割合は、年齢、重症度、病型、集計された年代や研究対象によって異なります。一つの数値だけで個人の経過を予測することはできません。急性期治療後は、症状に応じてリハビリテーションや脳神経・小児神経領域のフォローを行います。

救急受診を考える症状

  • 呼びかけへの反応が悪い、起こしても意識がはっきりしない
  • 会話が成り立たない、普段と明らかに違う異常行動がある
  • けいれんが続く、繰り返す、発作後も意識が戻らない
  • 強い呼吸困難、唇が紫色になる
  • 急速に全身状態が悪化する

これらがある場合は、診療時間内まで待ったり、自家用車で無理に移動したりせず、救急要請を検討してください。転落や事故を防ぐため患者さんを一人にせず、けいれん時は口に物を入れないでください。

通常のインフルエンザ症状で受診を考える場合

意識障害やけいれんがなくても、発熱や咳が悪化する、水分が取れない、持病があるなどの場合は、当院の発熱外来内科へご相談ください。通常の症状、検査、抗インフルエンザ薬についてはインフルエンザの総合コラムをご確認ください。

一方、意識障害、反復するけいれん、急速な状態悪化がある場合は、当院の通常外来や脳神経内科の予約を待たず、救急医療を優先してください。

まとめ

インフルエンザ脳症は小児に多いものの、大人にも起こり得ます。ただし、高熱、頭痛、倦怠感だけで脳症と判断するものではなく、多くのインフルエンザ患者さんが発症するわけでもありません。呼びかけへの反応が悪い、意識がもうろうとする、けいれんが続く、明らかな異常行動がある場合は、時間を置かず救急受診を検討してください。

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