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血液サラサラにする抗血小板薬。抗凝固薬とは何が違う?種類、副作用について。|西新宿今野クリニック

抗血小板薬は、血小板が集まって血栓を作る働きを抑え、心筋梗塞や一部の脳梗塞などの発症・再発を防ぐ薬です。「血液サラサラの薬」は通称で、血液を薄めたり、すでにできた血栓を直接溶かしたりする薬ではありません。必要な治療を中断すると血栓症の危険が高まるため、出血が心配でも自己判断で中止・減量しないでください。

本記事は2026年9月13日にPMDA電子添文と国内学会の公開資料を確認しました。個別の処方判断を代替するものではありません。

抗血小板薬について説明するイメージ
目次

抗血小板薬とは

動脈硬化や血管への処置で血小板が活性化すると、血栓が血流を妨げることがあります。抗血小板薬はこの過程を抑えます。治療による心筋梗塞・脳梗塞等の予防効果と出血リスクを比較して、適応、薬剤、用量、期間を決めます。高齢、糖尿病、高血圧などの危険因子があるだけで、発症歴のない全員が一次予防として服用する薬ではありません。

抗血小板薬と抗凝固薬の違い

項目抗血小板薬抗凝固薬
主な作用血小板の活性化・凝集を抑える凝固因子によるフィブリン形成を抑える
使用例冠動脈疾患、冠動脈ステント後、非心原性脳梗塞の再発予防など心房細動に伴う脳梗塞予防、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症など
代表例アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル、シロスタゾールワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)

「抗血小板薬は動脈、抗凝固薬は静脈」という説明だけでは不十分です。例えば脳梗塞でも、動脈硬化等による非心原性脳梗塞では抗血小板薬、心房細動による心原性脳塞栓症では抗凝固薬が中心となります。すべての脳梗塞に同じ薬を使うわけではありません。詳しくは脳梗塞の診療案内をご覧ください。

どのような病気で使うか

主に、心筋梗塞・狭心症などの冠動脈疾患、冠動脈ステント留置後、非心原性脳梗塞・一過性脳虚血発作の再発予防、末梢動脈疾患などで検討されます。国内適応は薬剤ごとに異なり、同じ薬がすべての病気に使えるわけではありません。一次予防と、発症後の二次予防も分けて考えます。

主な薬の種類と特徴

分類主な薬特徴・注意
COX-1阻害低用量アスピリン複数の国内適応がある。消化管障害、出血、喘息等に注意
P2Y12受容体阻害クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル等チエノピリジン系はこの分類に含まれ、別の重複分類ではない。国内適応は薬ごとに異なる
PDE3阻害シロスタゾール脳梗塞再発抑制等に使用。うっ血性心不全、出血中、妊娠中等は禁忌
その他ジピリダモール等国内では製剤・適応を確認して使用。海外の脳梗塞予防法を国内標準として扱わない

アスピリンの用量や各薬の適応を一律に示すことはできません。処方された製剤と目的を確認してください。

副作用と出血時の受診目安

主な副作用は出血です。軽いあざ、歯ぐきからの出血、短時間で止まる鼻血でも、繰り返す・増える場合は処方医へ相談します。便潜血検査の陽性は目で見えない微量の血液を検出した結果であり、本人が気づく黒色便・血便とは区別して評価します。

  • 早めに受診:圧迫しても止まりにくい出血、繰り返す鼻血、血尿、黒色便・血便、吐血、急な強い貧血症状。
  • 119番を検討:大量出血、意識が遠い、呼吸が苦しい、突然の麻痺・ろれつ困難・激しい頭痛。

頭部を強く打った後は、頭痛、嘔吐、眠気、意識の変化、麻痺などがなくても薬名を伝えて医療機関へ相談してください。症状があれば救急対応を優先します。

2種類の併用・服用期間

2種類の抗血小板薬を使う二重抗血小板療法(DAPT)は、冠動脈治療後や一部の脳梗塞・一過性脳虚血発作の急性期などで行われます。ただし適応と期間は同じではなく、固定できません。出血リスク、病状、治療内容を踏まえて決めるため、自己判断で1剤に減らさないでください。

抜歯・手術・内視鏡前の注意

抗血小板薬を一律に休薬すると、心筋梗塞・脳梗塞・ステント血栓症等のリスクが高まることがあります。抜歯、手術、内視鏡の種類によって出血リスクが異なるため、処方医と処置担当医が相談して継続・休薬・再開時期を判断します。予約時に薬名、服用理由、ステントや脳梗塞の時期を伝え、指示が一致するまで自己判断で中止しないでください。

痛み止め・市販薬との飲み合わせ

ロキソプロフェンなどのNSAIDsは、抗血小板薬と併用すると消化管障害や出血の危険が高まる場合があります。抗凝固薬や別の抗血小板薬との併用も同様に注意が必要ですが、医師管理下の併用まで一律の禁忌ではありません。かぜ薬や市販薬を購入する際も薬剤師へ服用中の薬を伝えてください。詳しくは痛み止めの種類と安全な使い方をご覧ください。

飲み忘れ時の対応は薬ごとに異なります。2回分をまとめず、処方時の説明や電子添文を確認してください。納豆の制限は主にワルファリンの注意で、すべての抗血栓薬に共通しません。

抗血小板薬についてのよくある質問

抗凝固薬と何が違いますか?

抗血小板薬は主に血小板の働きを、抗凝固薬は主に凝固因子の働きを抑えます。病名だけでなく血栓ができる仕組みに応じて選び、心房細動に伴う脳梗塞予防では抗凝固薬が中心です。出血リスクは薬剤、併用薬、患者背景で異なります。

抗血小板薬を2種類飲むのはなぜですか?

冠動脈ステント治療後や一部の脳梗塞・一過性脳虚血発作の急性期などで、血栓予防効果を高める目的で2剤を使うことがあります。適応と期間は病気や治療内容で異なるため、自己判断で減らしたり中止したりしないでください。

あざや鼻血が出たら薬を中止しますか?

軽いあざや短時間で止まる鼻血でも、繰り返す場合は処方医へ相談してください。自己判断で中止すると血栓症の危険が高まることがあります。圧迫しても止まらない出血、吐血、黒色便、意識異常などは速やかな医療評価が必要です。

抜歯・内視鏡の前は休薬しますか?

一律には休薬しません。処置の出血リスクと、休薬による心筋梗塞・脳梗塞等のリスクを処方医と処置担当医が検討します。予約時に薬名と服用理由を伝え、両者の指示が確認できるまで自己判断で中止しないでください。

ロキソニンなどの痛み止めと併用できますか?

NSAIDsは消化管障害や出血の危険を高める場合がありますが、併用可否は薬剤と病状で異なります。市販薬を含め、使用前に処方医・薬剤師へ確認してください。アセトアミノフェンも成分重複や肝機能などへの注意が必要です。

納豆を食べてもよいですか?

納豆のビタミンKに関する制限は、主にワルファリン服用時の注意です。すべての抗血小板薬・抗凝固薬に共通する制限ではありません。薬ごとの食事上の注意を処方医・薬剤師に確認してください。

当院へ相談される方へ

抗血小板薬の目的や副作用、併用薬については、まず処方医へご相談ください。新たな神経症状や脳血管疾患については脳神経内科、持病や市販薬を含む一般的な相談は内科をご確認ください。処方変更の可否は病状と治療内容により判断し、必要に応じて処方元や専門医療機関との連携を検討します。所在地はアクセスに掲載しています。

参考資料

医学情報の最終確認日:2026年9月13日

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