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【休診日】日祝、水曜午後、土曜午後 ※第2・第4土曜日は休診
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Gepotidacin(ゲポチダシン)は、トリアザアセナフチレン系の経口抗菌薬です。米国では2025年に、条件を満たす単純性尿路感染症と単純性尿路性器淋菌感染症について承認されました。一方、2026年9月3日時点では日本国内で承認・保険適用された薬ではなく、当院で処方することはできません。「耐性菌なら必ず効く薬」ではなく、感染部位、原因菌、重症度、患者背景、培養・感受性情報などに基づいて医療者が選択する薬です。
国内での位置づけ:ゲポチダシンは米国で承認されていますが、現時点では日本国内で承認・保険適用・通常販売された薬ではありません。当院で輸入、治験使用、処方を行っているという意味ではありません。
抗菌薬は細菌感染症に重要な薬ですが、必要のない使用や不適切な選択・期間は薬剤耐性菌の増加につながります。尿路感染症や淋菌感染症でも耐性が問題になりますが、耐性菌の有無だけで薬を決めることはできません。感染部位、重症度、年齢、性別、妊娠、腎機能、アレルギー歴、地域の耐性状況、利用できる培養・感受性結果を踏まえて選択します。患者さんが薬剤名を指定したり、残薬を自己判断で使用したりしないことが大切です。
ゲポチダシンは、細菌のDNA複製に必要なDNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを阻害します。フルオロキノロン系も同じ酵素群を標的にしますが、ゲポチダシンは異なる様式で結合するトリアザアセナフチレン系抗菌薬です。この違いから一部の既存耐性機序の影響を受けにくい可能性がありますが、キノロン耐性菌や多剤耐性菌へ必ず有効という意味ではありません。ゲポチダシンに対する耐性化も起こり得るため、感受性が確認された菌、または強く疑われる菌による承認対象の感染症に適正使用する必要があります。
米国では、感受性のある所定の細菌による単純性尿路感染症について、12歳以上かつ体重40kg以上の女性が対象です。男性、12歳未満または40kg未満、妊娠中の方、腎盂腎炎、複雑性尿路感染症へ試験結果をそのまま当てはめることはできません。経口薬であることだけを理由に、点滴や入院が必要な状態を外来治療で完結できるとはいえません。
米国では、感受性のある淋菌による単純性尿路性器淋菌感染症に対し、ほかの治療選択肢が限られる12歳以上かつ体重45kg以上の患者が対象です。この適応は臨床安全性データが限られることを前提としています。尿道または子宮頸部の感染を中心に評価された結果であり、咽頭・直腸感染や播種性淋菌感染症へ同じ有効性を一般化できません。日本国内の性感染症治療へ自己判断で使用できる薬ではありません。
EAGLE-2・EAGLE-3:12歳以上の女性の単純性尿路感染症を対象とした、無作為化、二重盲検、ダブルダミーの第III相非劣性試験です。ゲポチダシンとニトロフラントインを比較し、治癒判定時の症状改善と原因菌の微生物学的消失を合わせた複合評価を主要評価項目としました。両試験で非劣性が示され、EAGLE-3では事前に定めた手順により優越性も示されました。ただし、男性、妊婦、腎盂腎炎、複雑性尿路感染症に同じ結果を一般化できません。
EAGLE-1:単純性尿路性器淋菌感染症を対象とした無作為化、実薬対照、非盲検の第III相非劣性試験で、経口ゲポチダシンと筋肉注射セフトリアキソン+経口アジスロマイシンを比較しました。主要評価は治癒判定時の尿路性器部位における淋菌の消失で、非劣性が示されました。尿路性器部位の結果を咽頭・直腸感染へ一般化できず、米国承認も代替治療が限られる患者に限定されています。
これらは対象と条件を定めた臨床試験です。「耐性菌にも一律に効く」「症状改善がほかの薬より速い」「治療失敗例でも経口薬だけで完結できる」と結論する根拠にはなりません。
米国添付文書では、消化器症状、QT延長、過敏症、抗菌薬関連下痢症などへの注意が示されています。新しい薬であることや経口薬であることだけから、既存抗菌薬より安全とは判断できません。
単純性尿路感染症の試験では、下痢、悪心、腹痛、鼓腸、頭痛、軟便、めまい、嘔吐、外陰腟カンジダ症などが報告されています。尿路性器淋菌感染症の試験でも下痢、悪心、腹痛、嘔吐などの消化器症状が多くみられました。症状の頻度や程度は対象疾患と投与方法で異なり、「多くは軽い」「重い副作用はまれ」と一律には判断できません。
用量・血中濃度に応じたQT延長が起こり、不整脈につながる可能性があります。QT延長歴、関連する心疾患、徐脈、低カリウム血症・低マグネシウム血症などの電解質異常、QTを延長する薬の使用がある場合は特に注意が必要です。重い過敏症やアナフィラキシーも報告されています。また、ほぼすべての全身性抗菌薬と同様に、治療中または治療後の持続する下痢ではClostridioides difficile感染症などを評価する場合があります。
強いCYP3A4阻害薬はゲポチダシンの曝露量を増やし、QT延長リスクを高めるため、米国添付文書では併用回避が示されています。適応によっては中等度CYP3A4阻害薬やCYP3A4誘導薬にも制限があります。QTを延長するほかの薬との併用、影響を受けやすいCYP3A4基質、ジゴキシン、コリン作動性・抗コリン薬などにも注意が必要です。処方薬、市販薬、サプリメントを医療者へ伝え、自己判断で中止・追加しないでください。
米国添付文書では重度腎機能障害や重度肝機能障害で使用回避が示されています。妊娠中の人体データは十分でなく、授乳中の乳汁移行も不明です。年齢、体重、腎・肝機能、妊娠・授乳、併用薬を含めた個別判断が必要です。
頻尿や排尿時痛だけで単純性膀胱炎と自己診断することはできません。血尿、発熱、背中・脇腹の痛み、吐き気・嘔吐、水分摂取困難がある場合は、腎盂腎炎、結石、尿路閉塞なども含めた評価が必要です。妊娠中、男性、尿が出ない、強い血尿、抗菌薬を開始しても改善しない、急速に悪化する場合も早めに医療機関へ相談してください。糖尿病は尿路感染症の直接原因と一律にはいえませんが、重症化・複雑化を判断する患者背景の一つになります。
救急受診を検討してください:高熱、悪寒、強い背中・側腹部痛、繰り返す嘔吐、意識状態の変化、尿が出ない、急速な全身状態の悪化がある場合は、腎盂腎炎、尿路閉塞、敗血症などの可能性があるため、通常外来を待たず救急受診を検討してください。
2026年9月3日時点で、日本国内でゲポチダシンの承認、薬価収載、保険適用、通常販売は確認できません。米国で承認されていることと、日本で処方できることは別です。今後国内申請や承認が行われるかは、PMDA・厚生労働省の公表情報を確認する必要があります。
当院では排尿時痛、頻尿、残尿感、発熱などについて内科で初期評価を行います。尿路感染症が疑われる場合も、国内で承認されている抗菌薬から、症状、確認できた検査結果、アレルギー歴などを踏まえて治療を判断します。発熱を伴う場合の受診方法は発熱外来をご確認ください。性感染症の検査・治療や泌尿器科での専門評価、重症例への対応が必要な場合は、対応可能な医療機関へ紹介します。